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【天皇賞・秋予想】3冠馬にふさわしいレースを見せることができるか

  • 2021年10月30日(土) 18時00分

血統的にも距離に対する不安は少しもない


 昨年の牡馬3冠馬コントレイル(父ディープインパクト)は、この天皇賞(秋)とジャパンCの2戦に出走のあと、引退して種牡馬入りが発表されている。

 現在とほぼ同じ競走体系(セントライトの時代は別)になって以降の牡馬3冠馬は、1964年のシンザン(当時は秋の天皇賞も3200m)と、まだ現役のコントレイルを別にすると計6頭。チャンピオンにふさわしくみんなその後もGI格のレースを勝ってきた。

 1983年のミスターシービー以外の5頭は、みんな2500mの有馬記念を勝っている。当時はまだステイヤータイプが多かった。有馬記念を勝てずに、2000mに短縮されたばかりの1984年の天皇賞(秋)を制したのはミスターシービーだけであり、3冠馬は菊花賞を勝つのだから優れたスタミナ能力があった。

 だが、時代は移り、長距離タイプは少ない。コントレイルの菊花賞は2着アリストテレスとクビ差同タイム。辛勝ではなかったが、遠い時代のセントライトを加えた史上8頭の3冠馬の中で一番危なっかしい菊花賞だった。

 2400mの日本ダービーを楽勝してはいるが、もし、過去の3冠馬と同じようにコントレイルがさらにGI勝利を加えることができるなら、どちらにチャンスがあるだろう。今回の天皇賞(秋)と思える。コントレイルにはあまりステイヤー色は濃くない。ジャパンCにはスタミナ型の強敵がいる。

 母の父Unbridled's Songアンブライドルズソングは、サンデーサイレンス系種牡馬と相性がよく、スワーヴリチャード(ジャパンC、大阪杯)、ダノンプラチナ(朝日杯FS)、トーホウジャッカル(菊花賞)…を送ってきたが、アンブライドルズソングの父系には本来、スピードあふれるマイラー、中距離タイプが多い。

 牝馬グランアレグリア(父ディープインパクト)にも、3歳エフフォーリア(父エピファネイア)にも、距離2000mに対する不安は少しもないが、コントレイルは2歳時に鞍上のR.ムーアが真剣に追って秘める能力を確かめた際、東京1800mを1分44秒5の快レコードで独走している。それでいながら最後の1ハロン11秒4だった。

 もちろん、グランアレグリア、エフフォーリアが相手本線。3着が紛れても、ポタジェ、カレンブーケドールまでか。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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