一流牝馬の引退戦は良い結果が出ることが多いが…
今年の有馬記念はエフフォーリアとクロノジェネシスが人気を分けそうだ。
クロノジェネシスは引退戦。最近の傾向として一流牝馬の引退戦はむしろ良い結果が出ることが多い。ただこの馬の場合は凱旋門賞できつい競馬をしてきたことがどう影響するか。精根尽き果てたという感じの負け方だったし、生涯でつけられた最大の着差。もし心身のダメージが無いとしたら、当然今回も勝ち負けになるはずだが。
エフフォーリアは、3歳馬が強いという最近の傾向からも有力。天皇賞秋は上がりに重点のある競馬で今回求められる資質とは違った面があるが、負かしてきた相手が強い馬というのはやはり心強い。また、馬場が良くなかった皐月賞のような競馬もできているし、条件替わりでいきなり良さが消えるようなことはないと見る。
3歳で前走GI勝ちといえばタイトルホルダーもいる。16番枠は正直プラスではないが、人気も落ちそうなので馬券的にはリスクがオッズの魅力で相殺されそう。それよりこの馬は、前走が見事すぎたという点が逆に不安。セイウンスカイを思い出してしまう。ここはパンサラッサと2頭で大きく逃げてみせて、「あれを追いかけてはいけない」と他馬に思わせる形が最良ではないか。
アカイイトはエリザベス女王杯がいわゆる「展開がハマった」という形で、その再現ができるかどうかは微妙。ただ最近の有馬記念は3歳馬と牝馬という、斤量アローワンスを貰っている馬が強いので、3着候補あたりにはしてもよいかと思う。さらに踏み込んだ牝馬の穴だとウインキートス。日経賞は大敗しているが本来中山巧者だ。
3歳馬ではステラヴェローチェもいる。自分で競馬を作れないし展開のほうから転がり込んでくれないと優勝までは目指せないが、差し・追込タイプにしては競馬が上手いところがあり、特に進路取りに長けている。空いたコースが伸びるコースなら3着、場合によっては2着まであってもおかしくない。
実はここまで3歳馬と牝馬しか名前が挙がっていない。古牡馬ではアリストテレス。JCの逃げが良かった・良くなかったという論議があるが、とにかく速い上がりが使えない馬なのでどのみち前走は勝ち筋がなかった。中山芝2500mに替わることはプラスだし、土曜に雨マークも出ているので時計のかかる馬場になれば上位食い込みもありうる。