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休み明けの人気馬が強い大阪杯

  • 2006年03月28日(火) 00時00分
 大阪杯は過去10年、1番人気の成績が[8-1-0-1]というレースである。

 距離は全く違うが、阪神大賞典も1番人気の強いレースであることは、多くの人の知るところである。中距離以上の古馬別定GIIというのは、力量の比較がしやすいぶん、人気通りに決まるという構図なのである。秋のレースだと夏に大きな成長を遂げる馬がいるが、春のレースは冬期間の延長線上にあるわけで、そのあたりが関係しているという可能性もある。

 さきほどの1番人気成績で、唯一馬券の対象から外れたのが01年のテイエムオペラオーであることは皆さんの記憶にも新しいところだろう。

 唯一の例外になってしまったのが前年度全勝馬だったことからも分かるように、それまでの実績がここでの安定性に繋がるというわけではない。反対に、GI実績の無い上位人気馬だからといって、嫌う必要もない。

 人気馬以外も含めての傾向で気づくのは、レース間隔の開いた馬の成績が良いことと、4歳馬か高齢馬の両極端が活躍していることである。

 休み明けの成績が良くなるのは、当然のことながら有馬記念やJCから休養を挟んで大阪杯に出てくる馬の影響である(ついでに書くと、半年以上の休み明けはさすがによくない)。つまり、近い時期のオープン特別やGIIIで必死に頑張る馬よりも、一流馬らしいローテをとった馬のほうが相対的にアテになるということだ。

 一方年齢別成績だが、春重賞で4歳馬の成績が最も良く出るというのは多いパターンではある。ただ、ここ3年のマグナーテンおよびサンライズペガサスの影響なのだが、高齢馬を積極的に買える重賞というのは貴重なものである。

 さて、今回の登録馬で半年未満の休み明けといえばアドマイヤジャパン、シルクネクサス、スズカマンボ。4歳で人気ということも考えると、アドマイヤジャパンには高い評価を与えざるをえない。あと、シルクネクサスにも一応△くらいはつけておくことにしようと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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