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米国より日本での成績が良好なアメリカンファラオ産駒

  • 2022年02月21日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・2/20 フェブラリーS(GI・東京・ダ1600m)

 好位を追走したカフェファラオが危なげなく抜け出し、連覇を達成しました。昨年の勝利のあと、3戦して5、9、11着。決して順風満帆とはいえない一年でしたが、得意の東京コースで見違えるような走りを披露しました。これで東京ダートでは4戦全勝です。父アメリカンファラオは現役時代に米三冠を制したほか、アメリカ競馬の最高峰のレースとして知られるブリーダーズCクラシック(G1・ダート10ハロン)をレコード勝ちしました。

 2016年に初供用された際の種付け料は20万ドルでしたが、2022年は8万ドルに値下がりしています。理由は単純に産駒成績が物足りないため。アメリカのダート競馬に必要なパワーが乏しく、いまだにアメリカ国内ではダートのG1ウィナーが出ていません。種付け頭数も減少傾向にあります。

 しかし、日本での産駒成績は良好で、本馬を筆頭にダノンファラオ(ジャパンダートダービー)、リフレイム(オープンクラス)、エイシンアメンラー(3勝クラス)など、コンスタントに活躍馬が出ています。アメリカの1歳セリにおいて日本人にとくに好まれる種牡馬の一頭であり、フォーウィールドライブ、ヴァンゴッホと、後継種牡馬も相次いで導入されています。カフェファラオとフォーウィールドライブは、いずれも「アメリカンファラオ×モアザンレディ」という組み合わせです。

・2/19 京都牝馬S(GIII・阪神・芝1400m)
 2番手を追走したロータスランドが直線入口で先頭に立ち、そのまま押し切りました。勝ちタイム1分19秒7はレースレコード。午後に入ってから小雨が降り続いていたことを考えると優秀な内容です。父ポイントオブエントリーは、アメリカの芝G1を5勝した活躍馬で、バーディバーディ(ダート重賞を2勝)と酷似した重厚な血統構成です。本馬はロベルト3×4。切れ味よりもスピードの持続力が持ち味で、今回のようなハイペースの持続力勝負は合っています。

 過去の戦績や血統が示すとおり、道悪は得意なので、もし仮に雨量が多く馬場が悪化していたら、もっと楽に勝っていたのではないかと思います。今回の馬体重484kgはデビュー以来最高。昨年夏に関屋記念(GIII)を勝ったときより22kg増加しています。馬が本格化してきた感があるので、春のビッグレースが楽しみです。

今週の血統注目馬は?


・2/26 八代特別(2勝クラス・小倉・芝2000m)

 小倉芝2000mに強い種牡馬はドリームジャーニー。連対率37.1%は、2012年以降、当コースで産駒が20走以上した53頭の種牡馬のなかで第1位。当レースにはダディーズトリップが出走しています。当コースでは過去5走して[2-1-1-1]。馬場が渋れば好走確率が上がります。

今週の血統Tips


 先週の土曜日、東京ダート2100mの2勝クラスを勝ち上がったラヴォラーレは、グリーンデザート系のオールステイ産駒です。なじみのない種牡馬ですが、それもそのはず、現役時代はきさらぎ賞(GIII)で5着という成績が目立つ程度で、最終的には2勝クラスを勝ち上がれないまま引退しました。

 父ケープクロスはシーザスターズ、ゴールデンホーンなどを出した名種牡馬。2代母は名繁殖牝馬プリンセスオリビア(トーセンラー、スピルバーグ、フラワーアリーの母)。この良血を買われ、浦河のヒダカファームで種牡馬入りしました。

 2017年から昨年までの種付け頭数は4、1、2、2、1頭。血統登録頭数は計5頭で、JRAに入厩した産駒は2頭。そのうちの1頭がラヴォラーレです。血統表の奥にはサンオーイ(1983年の南関東三冠、東京大賞典)やメジロティターン(天皇賞馬でメジロマックイーンの父)の名前も見えます。得意の東京ダート2100mであればさらに上を目指せるでしょう。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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