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高松宮記念を予想するにあたって、今回は…

  • 2022年03月26日(土) 12時00分

今回の予想は鞍上も視野にいれたい


 馬の検討をするときチラチラと気にしている鞍上のこと。

 レースの行方は人馬の総合力によって異なってくるというが、その比率は人三馬七と言われていた。それでも、大きな勝負になると、そうではない、人の比率がもう少し高いと思ってきた。基本は馬の力でも、それを引き出す人の腕が勝負を左右する場面に、幾度も遭遇してきた。それともうひとつ、こっちとの相性の良し悪しもあるような気もしている。とどのつまりは、その騎手を信じて見守るしかないのだが。

 高松宮記念は春の古馬短距離路線のチャンピオン決定戦だが、中京コースが改修されてからペースがいつも速く、逃げ馬が苦戦し、好位かせいぜい中位ぐらいまでの馬が有利になっている。直線が長く力のいるコースだから、ゴール前はいつも大混戦になってきた。こうした激しいレースにあって人馬の呼吸がゆるぎないものになっていないと苦しい。自分との戦いでもあるのだ。

 こうした状況だから、人馬ともにキャリアがものを言う。現在のコースになって10年が経過しているが、今年騎乗する騎手で多くレースに出ていたのは、池添謙一、岩田康誠、福永祐一の各騎手で、この10年で8回を数える。この間、福永騎手は2勝3着2回、岩田騎手は1勝2着2回、池添騎手は1勝2着1回と、他を圧している。この実績は大きい。グレナディアガーズ、ダイアトニック、メイケイエールは吟味しなければならない。

 朝日杯FSを勝ち、マイル路線で活躍してきたグレナディアガーズは、7ハロンの阪神Cでケタ違いの走りを見せていた。中京なら6ハロンでも期待できる。

 一昨年の3着馬ダイアトニックは7歳という年齢が気になる。前走の阪急杯で強引に内をこじあけて1年8ヶ月ぶりに勝ち、勢いは感じられるので岩田騎手とのコンビ3戦目で引き続き注目したい。

 そしてメイケイエールだが、折り合い面の課題をかかえた快速牝馬、自分との戦いを続けながらキャリア9戦で重賞を4勝もしている。普段は大人しいが、レースになると前の馬を抜かないと気がすまなくなるタイプ。馬具を工夫して我慢が利くようになっているが、あの我の強いオルフェーヴルを乗りこなした池添騎手だから、カレンチャン以来10年ぶりの高松宮記念優勝のシーンがあるかもしれない。父馬ミッキーアイルは、現役時このレースで3着、2着と走っていた。

 同じ牝馬で一年上のレシステンシアは、昨年の2着馬。スプリント戦の王道を歩み続け、ここぞというときは必ず上位に来ていた。初めてコンビを組む横山武史騎手は、新しい桧舞台でどう演じてみせるか。高松宮記念初騎乗での快挙は、今躍進中の彼にふさわしい。

 どうしても騎手の顔が見えてくるスプリント戦だが、道悪ならステイゴールド系のシャインガーネット、トゥラヴェスーラもからめてみたい。

「めざせるか 世界が舞台 電撃王」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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