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【桜花賞・阪神牝馬S・NZT予想】マイルに適した調教適性は? 注目馬の追い切りを徹底解説!

  • 2022年04月06日(水) 18時00分

とにかく今回は中身の濃い調教だったのは…


 先週の大阪杯。断然の1番人気エフフォーリアは9着に沈んでしまいましたが、金曜日と土曜日に馬場を乗らなかったことが影響したようなジョッキーコメントが出ていました。これについては、競馬予想TV! で競馬エイトのヒロシTMもコメントしていて、僕もなるほど、と思ったくらい。やっぱり初めての遠征は輸送自体が影響する場合もあると思いますが、前日や前々日に輸送することによって、いつもと違う調整になることがパフォーマンスに影響するんだということをあらためて感じました。

 というわけで、今週の桜花賞。決して美浦所属馬に不利なレースではありませんが、初めて阪神競馬場へ輸送する、という馬の場合はいろんなことを考えるべきでしょうし、そのあたりをうまく予想に組み込むことができれば、良い結果が出るのでは、と思っています。

【NZT/マテンロウオリオン】

 中12週のレース間隔。ただ、次走にはGIも控えていると思うので、どのような仕上げでここを使ってくるのか。非常に興味深く見ていましたが、調教内容としては緩めた印象は全くありません。1週前追い切りがCWで6F79.2秒をマークして、その週末の3日には坂路で4F54.1秒。いかにも昆貢厩舎らしい負荷のかけ方。

 そして、最終追い切りはCWで6F80.6秒ですから、レース間隔が詰まっていた前走とは全く違う、時計の速い内容。やはり久しぶりということできっちり仕上げていますから、あとは初めての中山という部分くらいでしょう。

調教Gメン研究所

きっちり仕上げているマテンロウオリオン(3月30日撮影)


【阪神牝馬S/アンドヴァラナウト】

 愛知杯は案外の結果でしたが、個人的には冬場で追い切り本数があまり多くないという状況から凡走する懸念もしていました。それゆえに今回は暖かくなって、どのような調教内容に変化するのか注目していましたが、追い切りの負荷としては強くなっています。

 1週前追い切りがCWで6F82.4秒。単走ではありましたが、未勝利を勝った時と同じ1週前CW。このパターンは決して悪くないと思いますし、最終追い切りは坂路で4F51.9秒。しかもラストが11.9秒ですから、前走とは全く違う状態をイメージさせてくれます。

【桜花賞/ナミュール】

 前走は3ヵ月ぶりのレースで追い切り4本。高野友和厩舎らしい仕上げでしたが、GIに向けては余裕が残せる仕上げという見方もできました。そこできっちり勝ち切るあたりが能力の高さだと思いますし、次はもっとという印象が残る仕上げです。

 今回は中4週で4本。これも無理しているわけではなく、週末、週中のリズムを崩すことなく、そして、1週前追い切りの坂路4F51.4秒と自己ベストを更新してのこの内容。最終追い切りは4F54.9秒ですが、2F24.3秒。終いはしっかりしていますし、追い切りとしては文句なし。見た目には腹まわりがあまりにもスッキリしすぎている印象ですが、動きの評価としては下げる部分がありません。

調教Gメン研究所

動きの評価としては下げる部分がないナミュール(4月5日撮影)


【桜花賞/ウォーターナビレラ】

 チューリップ賞の調教内容は追い切り3本。非常に少ないので、明らかなトライアル仕上げでしたが、それでも結果は5着。8キロ増の馬体重でもありましたから、調教を強化すれば、ここが絞れてきて、きっちりと上積みがあるんだろうなとイメージできる前哨戦だったと思います。

 今回はきっちり追い切り本数を強化。最終追い切りは久しぶりの坂路でしたが、4F52.4秒は自己ベストを更新。しかも2F24.7秒ですから、終いもしっかり。どんな動きを見せたのか、このあたりは重賞捜査網で解説したいと思いますが、とにかく今回は中身の濃い調教を課しています。

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中身の濃い調教を課しているウォーターナビレラ(4月5日撮影)


【桜花賞/ナムラクレア】

 1週前追い切りのCWでの動きはとんでもなく動くなあという印象。なにせ、5F63.1秒ですから、フィリーズRの時にマークした5F67.1秒を大きく上回ります。正直、前走が目一杯の仕上げだと思いましたが、まだ上積みがあるんだというのが正直な印象。

 そして、最終追い切りは坂路で単走。4F52.9秒は前走よりも遅くなりましたが、マイルを走るならこれでいいはず。だからといってラストが遅くなったわけでもなく、こちらも映像でどんな動きを見せたのか、早く確認したいなあと思う内容です。

調教Gメン研究所

前走よりさらに上積みがあるナムラクレア(4月5日撮影)


◆次走要注意

・4/3 両国特別【スーパーホープ】(2人/5着)

 外枠で後ろから進めたにもかかわらず、雨の影響も受けて傷んだ内を突くレース内容。他のレースで後方から差し切った馬が外を通っていたことを考えると、これが最大の凡走要因だと考えられます。決して距離は長いと思いませんし、次走以降あらためて見直す必要があります。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切りがCWでラスト1F11.5秒以下なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝1600m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
○追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ

 先週の3歳1勝Cは1着◎、2着3着○。ちなみに3月27日の六甲Sは1着が◎○でしたから、やはり◎は勝つために必須の調教内容。レース当日がタフな馬場になれば、よりその傾向は強くなるでしょう。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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