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【安田記念予想】人気薄馬が絡むことも多いレース

  • 2022年06月03日(金) 18時00分

絶対的軸馬の不在がレース予想をさらに難解に


 絶対的な存在がいない形で行われる今年の安田記念。もともと安田記念は人気薄馬が絡むことも多いレースで、それがさらに難しくなっている。

 シュネルマイスターは東京芝1600mがベスト条件だし枠も無難なところを引いた。もちろん有力なのだが、ドバイで大敗してきた後のレースで人気というのは、馬券的にはプラスとは言えないところだ。

 イルーシヴパンサーは前走の末脚が強烈だった。上がり馬としての勢いはかつてのモーリスを彷彿とさせるが、まだGII以上の実績が無い中で上位人気というのはこれもオッズ的にはおいしくない。馬としては末脚に賭けるというテーマがはっきりしているので、それを全うしたうえでどこまで来れるかということになる。

 また、この馬を評価するならソウルラッシュも評価しないといけないことになるし、新興勢力に賭けるなら配当のつくソウルラッシュのほうを取るという判断もありだろう。

 ソングラインの前走は展開が向かなかったということに尽きる。牡馬相手にも好走歴があるし、NHKマイルCはシュネルマイスターとほぼ互角の内容だったことを考えると、ここで通用してもおかしくはない。負けたレースの次走でもしっかり走ってくる点は強みだ。

 ファインルージュは前走の不利などを考えると、かなりよく伸びている。ただ今回はルメールを奪われていることと、牡馬相手の実績がまだ足りないことが課題。特に一線級牡馬相手に戦う牝馬というのは、好走できる馬とそうでない馬がはっきり分かれるところがある。

 セリフォスは前例が多くはない3歳馬の参戦なので評価は難しいが、前走を休み明けゆえの敗戦と考えれば買うことも可能。ただ軸にするまでのインパクトは無いかというのが個人的な見解だ。

 ダノンザキッドの中山記念はコースと外枠がすべてマイナスに出たという印象。GIやGIIで好走歴のある馬が復活してくることもある安田記念なので、極端に人気が落ちるなら妙味がある。

 サリオスも同様で、前走は着差こそ15着だが1200mの重馬場で0.6秒差だし、完全に終わってしまったという感じでもない。休養中を含めて馬体重の増減が激しいあたり状態がどうなのかは微妙だが、この馬で4走すべて馬券に絡んでいるレーン騎手が良いイメージで乗ってくれれば穴になりうる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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