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「ルーラーシップ×ディープインパクト」は好相性 エヒトは瞬発力よりも持続力に秀でた配合

  • 2022年07月11日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・7/10 七夕賞(GIII・福島・芝2000m)
 中団を追走したエヒトが直線で外から先頭に立ち、後続に2馬身半差をつけて初の重賞タイトルを獲得しました。1分57秒8の勝ちタイムはレースレコード。「ルーラーシップ×ディープインパクト」は相性のいい組み合わせとして知られ、今回3着となったアンティシペイトもまったく同じ組み合わせです。

 父ルーラーシップはサンデーサイレンスを持たない血統構成で、決め手に甘さがあるので、そうした要素を補うことができるディープインパクトが合うのでしょう。この組み合わせに加え、母方の奥にダンジグを併せ持つ配合は、エヒトの他にキセキ、イシュトヴァーン、サトノラムセスなどの活躍馬が出ており、高確率で成功しています。

 本馬は2代母セントフロンティアが重厚な欧州血統で構成され、瞬発力よりも持続力に秀でた配合です。休養を挟んで馬も良くなっていたのでしょう。

・7/10 プロキオンS(GIII・小倉・ダ1700m)

 中団から徐々に位置取りを上げたゲンパチルシファーが直線で抜け出しました。これで小倉競馬場では6回走って5回馬券圏内に入ったことになります。

 父トゥザグローリーは重賞を5勝したほか有馬記念でも3着となった実力馬。東京新聞杯を勝ったカラテの父でもあります。産駒はこれまでJRAの平地競走で45勝していますが、芝18勝、ダート27勝という内訳で、アベレージもダートのほうが良好です。

 本馬は近い世代にミスタープロスペクター、デピュティミニスター、サンデーサイレンスを併せ持つので、昨年1、3着となったメイショウカズサ、メイショウウズマサと配合の骨格がよく似ています。小倉ダート1700mに向いた構成といえるでしょう。

今週の血統注目馬は?


・7/16 都井岬特別(1勝クラス・小倉・芝2000m)
 小倉芝2000mに強い種牡馬はディープインパクト。2012年以降、当コースで産駒が20走以上した55頭の種牡馬のなかで、連対率25.4%は第4位。今回産駒が登録している種牡馬のなかではナンバーワン。

 ラリュエルは芝1800mの新馬戦を1分47秒3という好タイムで勝ち上がったあと、クイーンCとチューリップ賞でそれぞれ4着、7着。今回は4ヵ月ぶりの実戦となりますが、重賞で上位争いをした実力に、52kgという軽斤量が後押しをするので、勝ち負けに持ち込む可能性は高いでしょう。

今週の血統Tips


 2歳戦が始まって1ヵ月あまり。今週、早くも函館2歳Sが行われます。ここまでの2歳戦で最も多くの賞金を稼いでいる種牡馬はエピファネイア。勝利数の5勝もトップです。この時期のランキングは、どれだけ多くの産駒がデビューしたか、という勝負でもあり、エピファネイア産駒はすでに20頭出走しており、2位ビッグアーサーの15頭を大幅に上回っています。

 早い時期に産駒をデビューさせることができる種牡馬は、早熟タイプといわれることもありますが、見方を変えれば体質が丈夫である証拠。身体に痛いところがあったり、順調に調教を積めない馬は、デビューすることなどできません。エピファネイアはそうした面で優れたものを伝えているといえるでしょう。

 賞金ランキング2位はダノンバラード、3位キンシャサノキセキ、シルバーステート、5位ビッグアーサー。新種牡馬の第1位は意外にもデクラレーションオブウォーです。日本軽種馬協会静内種馬場に繋養されているウォーフロント産駒で、9回走って2勝、2着3回という好成績。アベレージも回収率も優秀ですから馬券的に狙って面白い種牡馬でしょう。とはいえ、競馬にたとえればまだ1コーナーにも達してない序盤戦。現時点の成績で成功だの失敗だのを判断するのは早すぎます。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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