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【AR共和国杯予想】悩む3歳馬の取捨

  • 2022年11月01日(火) 12時00分

3歳のGI馬、キラーアビリティの期待値はいかに


 この連載では、特定の1頭に関する話はなるべく書かないようにしている。その馬が週末までに故障で回避になった場合などに、内容が丸々無駄になってしまうからである。

 しかし今回は皆さんも関心があるところだと思うので、アルゼンチン共和国杯に出走予定の3歳馬・キラーアビリティについて書いてみたい、今回唯一の3歳登録馬だ。

 過去10年のアルゼンチン共和国杯に3歳馬が出走したケースは4例のみ。そしてその4頭は……すべて馬券に絡んでいるのだ。
 
 これだけ書くとそそる話だが、もちろんそれ以前に馬券に絡まなかった3歳馬もいる。過去20年に拡大すると[2-2-3-7]で複勝率50.0%。回収率は単52%・複157%となる。

 ただ、好走馬は前走オープン好走馬が多い。前走オープン5着以内馬(3〜5着は該当なしなので、実質的には前走1〜2着馬)は[2-1-1-0]で全員馬券に絡んでいるが、前走オープン6着以下は[0-0-1-4]。直近の事例であるレーヴミストラルは3番人気3着だったが、他の4頭はいずれも2ケタ着順に終わっている。この他に前走下級条件1着馬が[0-1-1-3]となっている。

 難しいのは今回キラーアビリティが上位人気になりそうなことで、3番人気以内に推されていた馬は[2-1-2-1]。こちらだけ見れば買える話になりそうだが、6頭のうち4頭が前走オープン連対馬なので、そこにあてはまらないと強調材料にならない。

 GI馬+過去10年だけ切り取れば崩れていないということで買いか、前走がダービーとはいえ6着というところを気にするか。本命党と穴党で意見は分かれそうだが、この馬の取捨が今回のポイントであることは間違いない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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