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穴があるなら新興勢力?

  • 2006年05月08日(月) 23時50分
 今週はヴィクトリアマイル。なにしろ新設GIであり、元になった重賞があるわけでもないのでデータ予想は至難である。やや雑な予想になってしまうがご容赦いただきたい。

 まず、総体として堅いのか荒れるのかという話だ。これについては、堅いのではないかと私は予想している。エリザベス女王杯が古馬戦になって「堅いGI」に変貌したように、古牝馬は力関係がはっきりしていて、アップセットが起きにくい。

 秋のレースなら合流してくる3歳馬や夏を越して成長してきた馬に期待を託すことができるが、春の重賞はそうもいかない。実際、春の古牝馬重賞で人気薄激走した馬を振り返ってみると、ハンデ戦に出現した割合が高く別定戦は少ない。定量戦となるとなおさらだろう。

 それでもなんとか突破口を……という場合には、重賞常連組ではない、上がり馬タイプに焦点を絞るのがいいのではないだろうか。

 古牝馬のマイル重賞といえば京都牝馬Sと昨年までの阪神牝馬Sだが、この2レースで人気薄好走した馬を振り返ると、重賞出走歴が少ない馬が目立つことに気づく。

 たとえば04年京都牝馬Sのチアズメッセージ(8番人気1着)は3歳時重賞出走があったものの、いったん準OPに編入されて重賞に復帰した緒戦だった。

 03年京都牝馬S・2着(10番人気)のマイネアイルは重賞どころかOP初出走だった。阪神牝馬Sでは01年5番人気1着のエアトゥーレが前走1000万条件・1着からの出走だった。

 重賞常連にはいまさら定量戦で激走する理由がないわけだから、新興勢力に期待するというのは自然なところでもあるだろう。

 今回の登録馬には前走か前々走で条件戦を走っていた馬が8頭いる。実際に出走してくるのは2〜3頭だろうから、△候補として検討してみたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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