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【阪神JF予想】距離延長組、初距離の馬、どの程度走ってる?

  • 2022年12月06日(火) 12時00分

経験の少ない2歳戦ならではの難しさ



 阪神JFを予想するとき、皆さん悩むのではないかと思うのが「距離延長組の扱い」ではないかと思う。1400mまでで強くても1600m、しかも外回りに対応できるのかということだ。

 単なる距離延長組なら集計は簡単だ。阪神に外回りコースができた2006年以降、前走から距離延長となった馬(前走ダート含む)は[4-6-8-131]で勝率2.7%・複勝率12.1%。回収率は単21%・複52%となっている。

 ただこれは、該当馬のうち9番人気以下だった馬が[0-1-0-98]と恐ろしいほど機能しなかったことも影響している。距離延長組に有利な線引きとして8番人気以内に限定すると、[4-5-8-33]で勝率8.0%・複勝率34.0%。回収率は単63%・複107%で、少なくともヒモには検討できるということになる。

 一方で、一口に距離延長といっても「マイル以上の経験はあるが前走が1600m未満」という馬と、「距離延長で初距離」という馬がいる。これらの区別をするとどうか。

 1600m以上の経験があった距離延長組は、2006年以降の通算で[3-2-4-38]で勝率6.4%・複勝率19.1%、回収率は単43%・複52%。8番人気以内限定だと[3-2-4-10]で勝率15.8%・複勝率47.4%。回収率は単107%・複130%と100%を超えてくる。

 距離延長組全体からこの馬たちを引くと、「距離延長で初距離」組の成績が出てくる。全体では[1-4-4-93]で勝率0.9%・複勝率8.8%、回収率は単11%・複52%。8番人気以内限定だと[1-3-4-23]で勝率3.2%・複勝率25.8%。回収率は単36%・複93%だ。

 結論として、距離経験ありの今回距離延長組、かつ上位人気ということなら積極的に買える。純粋な距離延長・初距離組でも、上位に推されるパフォーマンスを見せてきている場合に限り、2、3着前提ならある程度は狙えるというところか。

 今年の登録馬に占める距離延長組は11頭。うち前々走以前に1600m以上の経験があるのはかなり人気薄が予想されるサラサハウプリティだけ。つまり、今年は距離延長組に◎を打てるような年ではない。

 純粋な初距離組で8番人気以内というとウンブライル、ブトンドール、リバーラあたりか。8番人気という線引きはやや恣意的だがそれはそれとして、この3頭は軸にはしづらいがすべて消してしまうまではせず、好みに応じてどれかに△は付けるくらいの扱いが妥当そうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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