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【高松宮記念予想】長期休養明けはやはり厳しいのか?

  • 2023年03月21日(火) 12時00分

ピクシーナイトに一定のチャンスはあると考える


 今週の高松宮記念には、ピクシーナイトが2021年12月の香港スプリント以来となる出走を予定している。

 苦難を乗り越えての出走なので好走してほしいと思うし能力的にも通用しておかしくない馬だと思うのだが、過去の類似事例に好走したケースはあるのか調べてみたい。

 昔と今とでは休み明けについての考え方が違う(特にここ数年)が、1年以上の休み明けとなると該当数も限られるので、今回は、2003年以降の過去20年強に行われた古馬のJRA芝重賞対象に、中52週以上の休み明けだった馬を調べてみた。

 なぜGIでなく重賞全体を対象にしたかというと、GIでは期間内に該当例が9例しかいないのである。その成績は[0-0-0-9]だが、ヤマニンシュクルが05年エリザベス女王杯(前年秋華賞以来)で8番人気ながら4着ときわどいところまできている。最近ではデアリングタクトのヴィクトリアマイル(5番人気6着・前年香港QE2世カップ以来)が該当例だ。

 古馬芝平地重賞全体に対象を広げると、トータルは[3-1-3-130]。なかなか厳しい。ただそれでも筆者は、ピクシーナイトに一定のチャンスはあると考えている。

 というのも、馬券に絡んだ7例のうち6例は過去10年以内、連対4頭はすべて2019年以降で、やはり近年休み明け馬の仕上げ技術が向上していると感じるからである。

 さらに、1200mにおいては[0-0-1-12]と1頭しか馬券に絡んでいないのだが、そもそも上位人気になるレベルの馬が皆無だったうえ、07年函館スプリントS7番人気4着ワイルドシャウト、11年函館スプリント11番人気4着ドラゴンファングと、「複穴になりかけた」という例はある。

 もうひとつ、1年以上の休み明けというと上位人気になることがまずないが、今回の対象で唯一3番人気以内になった昨年の鳴尾記念におけるヴェルトライゼンデ(2番人気)はご存知の通り優勝した。

 もちろんあまりにオッズが安いようなら敬遠すべきだろうが、長期休み明けのマイナスぶんがオッズに反映されているようなら、むしろ買い目に組み入れたいと個人的には考えている。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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