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香港馬をどう評価するか?

  • 2006年05月29日(月) 23時51分
 安田記念には香港馬3頭が来日した。

 香港贔屓の私だが、さすがに3頭とも買うということはない。香港馬については情報を必要としている競馬ファンも多いと思われるので、今回はデータを離れ、香港馬のご紹介をしたい。

 3頭のうち、まず馬券に絡むことは無いと思われるのがザデュークだ。香港マイルで05年2着、04年3着と好成績をあげているが、当時の単勝オッズは39倍と42倍。安定味はあって2ケタ着順級の大崩れはしないのだが、かといって突き抜けた強さはない。好位に行くと末が甘くなり、後ろから行くと届かず結局3〜6着あたりになるタイプ。念には念を入れるときの3着付け程度の評価。

 ブリッシュラックは昨年の安田記念4着馬。昨年同様、チャンピオンズマイルを勝っての来日となる。

 ただ、チャンピオンズマイルを勝つまでの過程は昨年の方がよかった。単純に年明けの着順で示すと昨年は1→5→1→6→1→安田記念。今年は8→2→5(ドバイ)→5→1→安田記念。クイーンエリザベスII世Cは出るだけでチャンピオンズマイルはメイチ、という点で似てはいるのだが、年齢的に少しだけ力も落ちているような気がする。

 昨年は伸びないコースを通らされた不利もあったので、まずは馬場の状態を確認して判断したいが、C→Bコース替わりといえど、Cコース時の外があれだけ伸びないようだとやや不安だ。

 ジョイフルウイナーはブリッシュラックより香港のローカルレートではやや落ちるが、馬券的には面白い。

 転入時の格付けが低かったため本当に強い相手とやりはじめたのはここ最近だが、層の厚い香港のスプリント〜マイル界で一線級に食い込みつつある。外差しも馬群を縫う競馬もできるタイプなので、前が詰まることを覚悟の上で内ラチ沿いに突っ込むと面白い。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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