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短距離ハンデ戦について考える

  • 2006年06月05日(月) 23時50分
 今週行われるCBC賞は施行時期・条件が大きく変わり、6月のハンデ戦となった。

 短距離のハンデ戦というのは、なかなかジャッジが難しい。俗説では「1kg1馬身、長距離では1kg2馬身」などと言うが、実際には短距離のほうがダッシュに影響すると言う厩舎関係者も多い。

 そこでまず、96年以降の芝1200mハンデ戦について、斤量別成績を調べてみた(牡馬セン馬のみ、以下同様)。

斤量〜49kg、勝率5.0%、連対率10.0%、回収率・単202%、複119%
斤量49.5〜51kg、勝率2.6%、連対率4.2%、回収率・単40%、複65%
斤量51.5〜53kg、勝率4.9%、連対率8.9%、回収率・単93%、複79%
斤量53.5〜55kg、勝率7.9%、連対率16.2%、回収率・単82%、複84%
斤量55.5〜57kg、勝率9.1%、連対率18.6%、回収率・単59%、複64%
斤量57.5〜59kg、勝率16.9%、連対率28.8%、回収率・単86%、複88%

 やはりというか、重い斤量の馬も回収率は不十分で、「敢えてハンデの重い方から買え」とまでは言い切れない。

 しかし、勝率・連対率はハンデにほぼ比例しており(49kg以下はサンプル数が少ない)、実力をハンデでは埋めきれない面はやはりある。軽い方を無理に漁るより、背負っている馬の取捨でさらに条件をつける方がいいのではないだろうか。

 そこで57.5〜59kgの馬をさらに掘り進んでみたところ、意外な事実に気づいた。

 前走同級5〜9着馬の回収率がプラスで、前走好走している馬の回収率が低いのだ。

 普通に考えると、過去の実績で背負わされている馬が不利、勢いのある馬が有利と思えるのだが、実際にはそうではないようだ。

 ただ、55.5〜57kgの馬については前走を勝った馬だけが回収率で突出しており、他は低い。この区別は意識しておきたい。

 トップハンデかそれに近い馬については実績重視、それに続く斤量帯の馬は勢い重視、ということでいいだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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