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開幕週は逃げ馬にこだわるべきか?

  • 2006年06月12日(月) 23時51分
 今週はバーデンバーデンCだが、福島開幕週といえばとにかく逃げ・先行馬というイメージがある。今回は、その通りの買い方でよいのかどうかを簡単に検証してみよう。

 まず、細かい条件を付けずに、福島芝1200mの脚質別成績を見てみる。期間は96年以降の約10年だ。

( )内は勝率、連対率、単回収値、複回収値
逃げ(23.0%、36.3%、208、141)
先行(13.0%、27.0%、120、121)
差し(4.6%、9.7%、56、70)
追込(0.9%、2.3%、18、30)

 ご覧のように行ったもの勝ちではあるのだが、ここで気になるのが、下位クラスで「力のある馬が先行する」という現象が起きるためなのかということ。もうひとつ、開幕週は特に先行有利の傾向が強いのかどうかということだ。

 まずクラスの問題。さきほどの表を、準オープン以上に限定するとこうなる。

逃げ(18.0%、32.0%、88、119)
先行(11.5%、23.0%、118、107)
差し(6.1%、11.8%、75、74)
追込(1.4%、3.9%、42、38)

 やや逃げ・先行のトーンが低くなり、特に逃げ馬の単勝回収率がマイナスになっているのは要注目だ。

 今度は、対象を全クラスに戻して開幕週限定(連続開催の2開催目開幕週を含む)にしてみよう。

逃げ(25.3%、37.6%、347、171)
先行(14.2%、28.0%、142、128)
差し(3.8%、9.5%、52、75)
追込(0.6%、2.0%、20、33)

 こちらは最初の表より逃げ馬の回収値が強めに出ているが、勝率・連対率では大差がない。

 この2つを考え合わせ、バーデンバーデンCのようなレースでは買う側もハナに固執せず、番手タイプを中心にするとよいのではないだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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