スマートフォン版へ

【有馬記念予想】有力馬外枠でさらに難解に! 無理な穴狙いは避けるべし

  • 2023年12月22日(金) 18時00分

マイナス要素をとるかプラス要素をとるか


 有力馬が極端な枠を引いたことで予想がさらに難解になった有馬記念。人気割れしそうなので、上位人気どうしの組み合わせでも配当はある程度つく。無理な穴狙いでなく、上位人気馬の仕分けをきちんとしたほうがよいだろう。

 ソールオリエンスの1番枠は、脚質を考えるとよしあし。過去20年の有馬記念で馬番1、2番から馬券に絡んだ馬は、最も後ろにしたケースでも道中6番手以内。テン乗りでもるのでこの馬の新しい面を引き出しに行くか、それとも過去の傾向を壊しにいくか。

 スターズオンアースはこの枠を引いたことで逆にルメール騎手が位置を取りに行く可能性があるように思える。過去10年の枠番8枠は[0-0-1-19]だが、5番人気以内だった馬は4頭、1番人気は1頭(2番人気ゼロ)だった。もともと東京のほうが向く可能性はあるし今回難しい競馬にはなるが、見切ることもできない馬だ。

 ジャスティンパレスは無難な枠ということで人気になるかもしれない。スタミナの余裕はあるし、今年はかなり充実している。昨年同じ馬番から好位に行って7着に敗れているので、今年はもう少し溜める競馬になるだろう。そのうえで進路がすんなり見つかるかどうか。ソールオリエンスあたりよりは前で進めたい。

 タスティエーラは枠がやや外であること以外、マイナス要素は少ないように思える。決め手勝負だと分が悪いが、逆にいうとダービー馬でありながら中山適性があるようにも見える。序盤のポジション取りをうまくこなせば、相当有利な立場に立てる。

 ドウデュースは武豊騎手に戻るのはよいとして、東京→中山のコース替わりはどうか。3着あたりには考えたいが、近年ジャパンC組が苦戦していることを考えると、軸にはしづらい。

 タイトルホルダーはこの枠なら悔いのない引退戦になるだろう。逃げに絡んできそうなのはアイアンバローズくらいしか思いつかないし、同馬より内の枠でもある。有馬記念は5着と9着なのでその点では強気になれないが、コーナー6つの中山芝2500mは前走に比べたら勝負できる条件だ。

 スルーセブンシーズは凱旋門賞好走→有馬記念という良いパターン。上がり勝負の馬だが中山好走歴もある。馬群を突く形に成功すれば上位進出もある。逆に漫然と外を回る競馬だと、届き切らない可能性がある。

 シャフリヤールは香港でもジョッキークラブの見解と陣営の見解に隔たりがあったようだし、心臓そのものは心配していない。ただ調整過程が特殊になったことと、差しタイプでこの枠というのがマイナス材料かと思う。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング