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若い馬が強いマイルCS

  • 2006年11月13日(月) 23時51分
 重賞についてのデータブックも出している身なので、あらゆる重賞について、近10年の基本的な傾向というのは一通り見ることになる。

 古馬重賞の場合、必ず見るのが年齢別の成績だ。

 芝・ダート、距離など、同じ重賞にも様々なカテゴリがある。カテゴリごとにメンバーの新陳代謝が起きやすい場合とそうでない場合があり、それが年齢別成績に表れるというわけだ。

 過去10年のマイルCSを見ると、4歳馬が非常に強い。[6-5-1-35]で連対率23.4%は、全馬平均の11.6%と比べてほぼ倍である。

 ちなみに3歳は13.2%、5歳は6.5%、6歳は3.4%。7歳以上はのべ12頭が出走して3着以内が無い。

 さて、そこで悩みどころなのが今年の登録馬だ。

 天皇賞組で、ここでも人気になりそうなダイワメジャーとダンスインザムードはともに5歳。昨年の覇者ハットトリックも5歳。

 スワンSを勝ったプリサイスマシーンは7歳。富士Sを勝ったキネティクスも7歳。

 唯一の外国馬、コートマスターピースは6歳。

 ならば4歳馬から入ればいいじゃないかということになるが、京都巧者のペールギュントが回避の予定なので、選択肢は牝馬のデアリングハートか、マイル戦未勝利のシンボリグランということになる。

 先週のエリザベス女王杯も「年齢を気にしないほうが吉」という結果だったので「見なかったふりをする」という手もあるが、比較的はっきりした傾向だけに、5歳以上馬ばかりの買い目を組むのも気が引ける。

 打開策としては、大きな括りでの「若い馬」として3歳馬を取ることが考えられる。ここへ来てマルカシェンクまで出走権が回りそうなのだが、ここに書いたような観点からも注目したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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