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道悪のJCは一筋縄ではいかない

  • 2006年11月20日(月) 23時50分
 東京ではジャパンCの週末にかけて雨の週間予報が出ている。

 この原稿を書いているのが月曜で、そこから週末というと5〜6日後の話になるからちょっと気が早いかもしれないが、天気予報が当たると、今年のジャパンCは道悪の可能性があるということになる。

 これは馬券上、なかなか重大な問題だ。というのも、道悪のジャパンCは、すんなり決まらないからである。

 最初にJCが重で行われたのは、昭和60年。ご存知のようにシンボリルドルフが勝ったが、2着には11番人気のロッキータイガー、3着には13番人気のザフィルバートが入った。

 次は平成4年で、天皇賞秋で7着と敗れた直後のトウカイテイオーが5番人気復活V。2、3着はそれぞれ2、4番人気馬で、1番人気のユーザーフレンドリーは6着に沈んだ。

 最近では平成15年である。タップダンスシチーが9馬身差の圧勝を収め、ザッツザプレンティが2着。人気のシンボリクリスエスは3着止まりだった。

 人気順としては4,5,1番人気での決着と一見地味なのだが、この平成15年の持つ意味は意外に大きい。というのも、最近のジャパンCでは、少なくとも日本馬の優劣についてファンが見誤ることが減っているにも関わらず、この年は例外になっているからである。

 昨年はアルカセットに勝たれたものの、2着が2番人気ハーツクライ、3着が1番人気ゼンノロブロイだから日本馬のジャッジについてはそう間違っていない。一昨年は1、2、7番人気の決着で、3着に3歳のデルタブルースが入ったものの、1、2番人気にファンが推した馬は間違ってはいなかった。

 一方、平成15年は日本馬中の人気上位4頭が1〜4着を占めているものの、順番としては3→4→1→2(外国馬アンジュガブリエルが3番人気だったため、1、2着馬の人気はトータルのそれと異なっている)。日本馬中の人気最上位・第2位馬がともに連を外した背景には、道悪があったと言えるだろう。

 個人的にも、ディープインパクトで間違いないと思っていた心が揺らぐ雨予報である。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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