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朝日杯で下克上が起きる条件

  • 2006年12月04日(月) 23時50分
 昔の感覚だと、新馬を勝ってそのまま朝日杯でも通用……というケースはいくらでもありそうに思えるのだが、最近はなかなかそういうケースはない。

 エイシンプレストンが新馬勝ちの直後勝ったケースと、メジロベイリーが未勝利勝ちから連勝を飾ったくらいである。

 ついでに言うと、前走500万下に出ていた馬の朝日杯連対も、昨年と96年の2回しかない。

 この4回をまとめると、96年、99年、00年、05年ということになる。

 96年は500万下を勝ったばかりのクリスザブレイヴが1番人気で、3番人気もOP勝ちのないアサカホマレだった。

 99年は1〜3番人気の前走レースがデイリー杯と東スポ杯だったのだが、デイリー杯は6,2,3番人気の決着で1番人気マチカネランは8着。東スポ杯は4,5,1番人気の決着で、1番人気3着だったマチカネホクシンが朝日杯でまだ3番人気に粘っている状況だった。

 00年は1番人気タガノテイオーの前走・東スポ杯が3,6,1番人気の決着で、1番人気3着のウインラディウスが朝日杯でまだ3番人気という、99年に似た状況。カク地馬が上位人気に入っている点も似ていた。また2番人気エイシンスペンサーは前走500万下勝ちで、こちらは96年に似ている。

 昨年は前走条件戦ではないものの、重賞未勝利(OP特別勝ちはあった)のジャリスコライトが1番人気で、少し96年に似た面がある。

 つまり、重賞未勝利の馬が1番人気になったり、ステップレースが人気通りに決まらない=主役の交代が激しいという混沌とした状況のときこそ、新馬・未勝利・500万下から一気に通用するケースが望める(ただし1番人気になる馬はなぜか大敗する)という傾向にあるわけだ。

 では、今年はどうか。重賞未勝利馬が1番人気ということはなさそうで、デイリー杯と東スポ杯が比較的順当な結果。上記の状況とは逆なわけで、それだけに馬券は重賞組からだけピックアップすればいいのではないかと考える。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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