新設重賞の阪神カップは定量戦の1400mで行われる。
私も気づいていなかったのだが、06年になって定量戦の設定レースが一気に増えている。それまで別定戦で行われていたものが、定量戦に衣替えしたものがほとんどである。条件戦の場合、今の昇級システムだとほとんどの馬が横並びの立場にあるので、別定でも定量でも、パっと見た感じでは分からないのだろう。
ちなみに、それ以前の芝1400m・定量戦というと、WSJSのうちの一戦が該当したり、3歳のトライアル重賞、OP特別の一部が定量に設定されていたりという感じだった。
さて、定量戦になるとどういう効果があるのだろうか? 斤量差は無くなる方向性だから、理屈でいえば格上の馬が強くなるイメージがある。
そこで、こんな調査をしてみた。芝2000m以下の古馬条件戦を対象に、定量戦・別定戦・ハンデ戦のそれぞれについて、全馬均等買い時の単複回収率を出すのである。この数値が高ければ波乱傾向、低ければ本命傾向ということになる。
1996年以降の10年強を対象にした場合、結果は次の通り。
○定量戦(期間内408R)
単勝回収率=69%・複勝回収率=79%
○別定戦(期間内5200R)
単勝回収率=71%・複勝回収率=73%
○ハンデ戦(期間内894R)
単勝回収率=76%・複勝回収率=77%
多くのレースを対象にしているので数%の差異しか出ないが、単勝回収率については綺麗に定量→別定→ハンデとなっている。ただ、複勝については3カテゴリの中で定量戦が最大だ。これは、複勝8000円台など、とてつもないホームランが今年数回出たことも影響している。
重賞だとそこまでの期待はできないだろうが、以上の結果をふまえ、1着付けは人気馬から、3着候補はとんでもない人気薄もアリ、という方針がいいのではないだろうか。