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冬の馬場は大型馬有利か?

  • 2006年12月25日(月) 23時50分
 今ではそれほど言わないかもしれないが、かつては「冬の芝はパワーのある馬が有利」とよく言ったものだった。今にして思うとダートコースの無かった時代や、冬枯れの芝が本格的に悪い馬場状態だった時代の名残とも思えるが、ともあれそう言ったものである。

 今の時代は常に一定以上の馬場コンディションが保たれるようになったが、では「パワー」との相性はどうなのか。そんなことを考えたのは、近年の中山金杯ではどちらかというと大きすぎない馬が活躍しているように感じたからなのだが、馬体重を基準に調べてみると、色々なことに気づく。

 1月の中山芝(97年以降)という条件で見ると、連対率ベースのスイートスポットは460〜479kgあたりである。それより重いほうがいいか軽いほうがいいかといえば重いほうがいいのだが、しかし「馬体重が重いほうがいい」という風にはなっていない。

 同じことを、スピード馬場で有名な9月の中山について調べてみるとやはり連対率では460〜479kg帯が高いのだが、他の馬体重帯との差がほとんど無くなっている。また、勝率ベースで見ると520kg以上の大型馬が優勢である(1月も540kg以上となると勝率・連対率が高いのだが、サンプル数が少ないので評価が難しい)。

 まあ、パワーを馬体重で評価できるのかどうかというと微妙な話だし、1月にしても9月にしても極端な傾向が出ているわけではない。しかし、冬は大型馬有利かというとそうではなく、むしろ二択で選ぶなら逆の傾向、適度な大きさの馬のほうが無難という印象だ。

 ところで本題の中山金杯だが、年によって500kg前後の馬が固まって上位に入ることになるか、あるいはその逆か、どちらか極端になるようにも見える。04年あたりは大型馬優勢、01年は手ごろな馬優勢、といった風にだ。どちらか片方を取るというより、グループ分けしてボックスを組むような発想があってもいいかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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