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中山ダート1200m→東京ダート1400mについて考える

  • 2007年01月22日(月) 23時50分
 根岸S好走馬の多くは、ガーネットS組である。

 同じダート短距離路線だからメンバーが重なっているのは当然だが、連動の仕方がいまひとつ分かりづらい。リミットレスビッド、メイショウボーラーなど両方で好走する馬もいるが、ヒューマのように「前走負けで斤量増」という条件をはねのけてしまった馬もいる(まあこの時は展開が味方したのだが)。

 そこで、今回はこの両重賞に限らず中山ダート1200m→東京ダート1400mというステップ全体について見てみることにした。

 対象としたのは、97年以降の古馬かつ1000万条件より上。改修を挟んではいるが、ダートなので無視して過去10年を採った。

 この両コースをこの順番で使われた馬はのべ909頭。均等買いした場合の回収率は単61%・複66%だから、基本的には「ゼニにならないローテ」のように見える。

 昇級・降級が絡まないケースでの前走着順別成績を見ると、勝ち得(前走同条件1着)の単回収率がいいのは分かるとして、面白いのは前走2着馬の回収率が低く、前走3着馬の回収率が単153%・複95%と高くなることだ。単純に繰り上がる形がイメージされるので前走2着馬は票が入りすぎるのかもしれない。

 血統別で見ると、ミスプロ系がこの路線の定番すぎるためか「ぼちぼちの連対率、回収率」に留まっているのに対し、サンデーサイレンス系はミスプロよりも高い連対率をマークしたうえ、単93%・複110%と回収率の面でも優秀になっている。

 SS以外のヘイロー系は[3-0-2-13]なのだが、この連対率(16.7%)でもミスプロより高い(ミスプロは13.6%)し、その中から11番人気1着馬が出たり11番人気3着馬が出たりもしている。

 今年の根岸SはSS系が6頭、他のヘイロー系が1頭。うち前走がダート1200mなのは3頭なので、この辺りに網をかけてみようかと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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