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新馬圧勝の価値はどの程度?

  • 2007年02月05日(月) 23時50分
 きさらぎ賞には15頭が登録してきたが、注目されるのはナムラマースと、新馬を圧勝したオーシャンエイプスだろう。

 このうち評価が難しいのは後者だ。新馬圧勝が、そのまま重賞で通用するパスポートと考えていいのかどうか、判断に悩むところだ。

 そこで、過去の新馬圧勝馬を振り返ってみることにしよう。97年以降の10年間で、芝1600m以上の新馬戦を1秒以上の着差で勝った馬はオーシャンエイプスが18頭目だ。

 ただし、この18頭にはかつての「折り返しの新馬」を圧勝した馬も含まれており、デビュー戦に限るとオーシャンエイプスが12頭めになる。

 先輩にあたる11頭にはサイレンススズカ、セイウンスカイ、ダンスインザムード、フサイチパンドラとGIホースが4頭も含まれていて期待感が高まる。

 ただ、2戦目の成績は微妙なものである。着度数としては(3-2-1-5)。回収率は単93%・複94%とそれなりだが、もし今回オーシャンエイプスの人気が過熱するようだと、ハイリスク・ローリターンということになりかねない。

 一方、強調材料を探すとこうなる。該当馬のうち、2戦目が明け3歳になって以降だった馬は(2-2-0-1)。アクシデントもあったサイレンススズカ(弥生賞)以外は連対をキープしている。

 マッキーマックスのシンザン記念2着を物差しにすると、オーシャンエイプスも重賞レベルにあると考えることは妥当だ。あとは人気の加熱度合いが問題であって、勝って当然ぐらいの話になってしまうのなら2、3着付けまでしか買わないようにしてみたいし、反対にナムラマースと人気を二分するようならば、1着まで期待したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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