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年齢というリスク

  • 2007年02月12日(月) 23時50分
 フェブラリーSで人気が予想される馬たちのうち、特にファンの信頼が厚い馬といえばブルーコンコルドとシーキングザダイヤだろう。

 ブルーコンコルドは大レースで勝ち切る力を見せ付けてきたし、シーキングザダイヤは対照的に安定味をウリにしてきた。

 ここまでの実績を考えると今回も買わずにいられない2頭なのだが、ひとつだけ引っかかることがある。それぞれ7歳と6歳という年齢だ。

 過去10年のフェブラリーSを振り返ってみると、年齢別成績は次のようになる。

4歳[4-6-1-30]
5歳[5-2-3-27]
6歳[1-1-4-40]
7歳[0-1-2-32]

 連対馬20頭のうち、17頭までが4、5歳馬なのである。

 6歳で優勝したのは98年のグルメフロンティアで、2着したのは01年のウイングアロー。7歳で2着したのは99年のエムアイブランだ。

 ただ、居るには居るとしても、20分の3という数字はやや不安になるところ。6歳1番人気馬はタイキシャーロックとサンフォードシチーが馬券の対象外に飛んでいるし、7歳で上位人気というのはそれ自体が未知の領域になる。

 ダートの一流馬というのは最後に成績を大きく落として終わる傾向があり、フェブラリーS優勝馬でもアグネスデジタル、ウイングアロー、ゴールドアリュール、シンコウウインディ、アドマイヤドンがそれに該当する。中距離タイプに目を転じてみても、ライブリマウント、ファストフレンド、メイセイオペラ(地元戦では勝っていたが、交流GIでは大敗していた)、ワールドクリーク(荒尾転入後は勝利を重ねたが中央末期→佐賀では大敗続き)といった名馬たちが似た道を辿っている。例外は惜しくも急逝したホクトベガや、捻挫で引退したアブクマポーロなど、少数派だ。

 もちろん、先にあげた実績馬2頭が今回確実に飛ぶとか今後不振に陥るというわけではない。ただそれでも、年齢のリスクというのは計算しておくべきファクターだと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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