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1番人気馬の取捨

  • 2007年02月19日(月) 23時50分
 中山記念は、全馬を均等買いした場合の回収率が単複とも50%という、堅い部類の重賞である。

 堅いなら堅いで買い方も簡単なわけで、例えば1番人気馬が絶対ならば馬連で黙って1→4〜8番人気を買うとか、3連単フォーメーションで1→4〜8番人気→2〜8番人気、4〜8番人気→1番人気→2〜8番人気と買ってみるといった手がある(1〜3番人気の組み合わせで決まったら諦める)。

 ただ、中山記念の1番人気馬は過去10年で見ると(5-1-1-3)という、悪くはないが絶対でもないという中途半端なことになっている。

 そこで10頭を個別に振り返ってみると、重賞実績が無いのに人気になるケースと、どちらかといえばマイラータイプなのに人気になるケースが危ないように思う。

[ ]内は重賞勝ちの有無、2000m以上勝利数
エアシェイディ[2着まで、1勝]
エイシンプレストン[あり、出走なし]
ダイタクリーヴァ[あり、1勝]
クリスザブレイヴ[3着まで、5勝]

 成績は中山記念出走時点でのものである。10年よりさらに前の1番人気馬を振り返ってみるとこの傾向は成り立たない(むしろ適性距離が長すぎたパターンの方が多く、逆はトウショウマリオくらいか)のだが、血統の流行なども時代によって違うし、最近の傾向を重視すべきだろう。

 先の4頭にしても、綺麗に線引きができてそこを境にきっぱり傾向が分かれているというわけではない。それでも、昨年のエアシェイディ(今年も登録している)と今年のシャドウゲイトあたりを比較した場合、取捨の結論は反対になってくるわけで、結論としての「重賞勝ちのある馬、2000mでも不安のない馬なら買う」という部分だけは覚えておいてもいいのではないだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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