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阪神短距離は内枠・人気サイド有利?

  • 2007年03月05日(月) 23時50分
 新装間もないコースだけに、どうしても恐る恐る買うことになってしまう阪神芝だが、フィリーズレビューの行われる1400mは、特に悩むところである。

 旧阪神芝1400mは、どちらかというと外枠有利のコースだった。1997年〜改装まででみると、278レースが施行されていて回収率ベースではさしたる差が無いのだが、勝率・連対率ベースではうっすらと外枠有利というか、内枠不利の雰囲気が見られたものだった。

 普通、少頭数レースがあるぶん内枠寄りの枠番・馬番は勝率・連対率が高めに出る傾向があるので、実際には見た目以上の差があるということになる。

 ちなみに、馬番1番は(15.12.25.225)で、勝率5.4%・連対率9.7%。全馬の勝率が7.2%、連対率が14.3%だから、内枠不利の様子がお分かりいただけるだろう。

 一方、改装から2月末までには阪急杯など10レースが行われたのだが、枠番でいう1枠に入った馬は(2.1.1.10)の連対率21.4%とまずまずのスタート。馬券に絡んだのは人気サイドの馬ばかりだが、2勝はいずれも1枠1番だし、過去のイメージとはやはり異なる。

 なにしろまだまだサンプル数が少ない段階での話なので真剣に語れない部分もあるのだが、しかし、1200mや1600mも含めて、内回り外回り問わず内枠馬が強くなっているようにも見えるので、その辺りはやや気になる。

 しかも、内枠に加えて人気サイドが強くなっているようでもある。1400mは人気薄の1着が2回あったが、それでも連対馬に占める5番人気以内馬のシェアは高いし、1200mと1600mは「ひねるなら3着を」くらいの状況になっていた。

 改修は馬が走りやすいことをよしとして行われるものなので、その結果が本来の道理である「内枠が有利」「人気馬=強い馬がすんなり来る」という傾向に繋がっているということはありうる。フィリーズレビューも、そういう視点をもって予想・観戦したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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