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当代きっての長距離巧者・横山典弘

  • 2007年04月23日(月) 23時50分
 いきなり特定の馬の話になるが、マツリダゴッホについて考えている。

 マツリダゴッホ本人(本馬?)だけだったら、私は△にするか、場合によっては無印にしていただろう。見立てが当たっているかどうかは分からないが私はこの馬を中距離でこそだと思っているし、数ヶ月前までは「香港(QEII世C)行ってくれないかなあ」と思っていたほどだ。

 QEII世Cはアドマイヤムーンvsヴェンジャンスオブレインの中距離頂上対決になってしまったので日本に残ったのは正解だったかもしれないが、天皇賞春で距離がネックになる可能性というのは、やはり捨てきれないところである。

 さて、ここでもうひとつの要素として登場するのがマツリダゴッホの鞍上、横山典弘騎手だ。

 最初に結論を言うと、いま3000m以上のレースでは「横山典弘は全部買っとけ」という状況なのである。

 1995年頃までは特に長距離巧者という印象も無かった横山典弘騎手だが、この10年は確変に入ったのかという活躍ぶり。1998年以降、芝3000m以上では(5-9-3-6)。連対率が60%にも及んでいる。人気馬にばかり乗っているわけではなく、イングランディーレの天皇賞春などもあるので、回収率は単勝406%・複勝263%にも及んでいる。

 ここ最近は4騎乗機会連続で2着。注目すべきは、血統的に長距離でこそという馬だけでなく、むしろ距離不安が囁かれていたアドマイヤジャパン(菊花賞)や、スキャターザゴールド産駒で初距離だったエリモエクスパイア(ダイヤモンドS)も2着に持ってきていることだ。

 そこを考えると、マツリダゴッホに距離不安は無いも同然ということになる。しかし、馬の側から見ると強くは推せない。このバランスに悩むところなのである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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