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なぜか傾向が変わらぬ京都新聞杯

  • 2007年04月30日(月) 23時50分
 今では「ダービー最終便」とか「東上最終便」といった言い方をしなくなってしまったが、京都新聞杯がNHKマイルC・プリンシパルSと並ぶ、ダービー出走権獲得のためのラストチャンスであることには変わりがない。

 この京都新聞杯、年によって仮柵の位置が違ったこともあるし、そもそも2000mで行われたこともあった。また、京都新聞杯が秋のレースであった頃には、「京都4歳特別」が同じ役割を果たしていたことはご存知のとおりだ。

 レース名も距離も変わってきたわけだが、そういう条件の違いと関係なしに、京都4歳特別→京都新聞杯には共通のテイストがある。

 ひとつは、差し・追込有利ということだ。内回りの2000mと外回りの2200mでは全く違うレースになるほうが自然なはずなのに、なぜかこの傾向は共通している。昨年は先行したトーホウアランが勝ったが、05年あたりは追い込み3頭の決着になった。

 また、「前走で逃げていた馬」は過去10年で(0-1-0-16)。マルブツオペラが2着に来た以外はいいところがない。このレースは差し・追込馬のためのものと考えておいたほうがいいだろう。

 もうひとつ、昔も今も変わらない傾向が、前走で中途半端な好走をした馬は来ず、前走連対馬か前走6着以下だった馬のどちらかしか、ここでは連対していないのだ(さすがに前走条件戦6着以下からの好走はなく、条件戦組は前走連対が必須になる)。

 前走でOP・重賞を3〜5着してここへ臨んだ馬は過去10年で21頭いるのだが、その着順は(0-0-4-17)。1番人気馬3頭が入っていてこの数字だから、かなり内容的には悪い。

 今年の登録馬だとこの罠に該当してしまうのは2頭しかいないのだが、来年以降のこともあるから覚えておいて損はないだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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