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1番人気馬不振の京王杯SC

  • 2007年05月07日(月) 23時50分
 過去10年の京王杯SC、1番人気の成績は[3-0-1-6]である。

 これだけを見たら、「イマイチ」くらいの話で終わるところだが、もう少し詳しく見てみよう。

 勝った3頭は以下の馬たち。
・タイキブリザード
・タイキシャトル
・グラスワンダー

 3着の馬は……
・ブラックホーク

 この4頭に共通することは? という質問に即答できる競馬ファンは多いだろう。外国産馬であるということだ。

 では、勝った3頭を見て気付くことは? こちらはちょっと難しい質問となる。正解は、過去10年のうち古いほうの3年に固まっているのだ。

 つまり、ここ7年京王杯SCの1番人気馬は連を外し続けており、3着も1回しか無いということだ。その3着も01年のことであり、「古いほうの半分」に入る。

 日本の競馬にスプリント〜マイルの横綱が居ないと言われるようになって久しい。その背景に良質の外国産馬が少なくなったことが挙げられることも多いが、この結果を見る限り、京王杯SCにもその影響は及んでいるように見える。

 ちなみに、ここ4年の1番人気馬のうち3頭は4歳馬で、1頭は5歳だがOPに復帰して緒戦のマチカネアカツキだった。このあたりにファンの「新しいスターを求める気持ち」が表われ、またそれが裏切られてきたことが分かる。

 京王杯SCは安田記念に繋がる重要なGIIではあるのだが、重要なステップレースである、という気負いがファンを間違った方向へ導くようにも思える。いっそ、「フツーの別定GIIIだと思おう」くらいの感じで予想したほうがいいかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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