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桜花賞組が手薄な今年のオークス

  • 2007年05月14日(月) 23時55分
 本来、オークスにおいて主役となるべきは「桜花賞組」である。

 過去10年のオークスで見ると、桜花賞から直行でオークスに出走した馬が[7-8-6-40]となっている。トライアルや忘れな草賞についてあれこれ考えるよりも、この組から一本釣りしたほうが話が早いというわけだ。

 しかし、桜花賞馬の二冠に賭ければいいのかというとそういうものでもない。

 さきほどの[7-8-6-40]のうち、前走桜花賞1着だった馬は[1-1-3-3]。それなりに頑張ってはいるのだが、やはり一気に4ハロン伸びる距離というものを考えざるをえない数字だ。

 一方、桜花賞6〜9着からオークスに直行した馬は[3-1-1-10]とかなり健闘しており、10着以下からもチューニー・フサイチパンドラが復活の2着を果たしている。

 よって穴党としてはダイワスカーレットを2着付けまでにして(場合によっては3着付けまでにするか、無印にして3連複・単をやめる)桜花賞負け組を抜擢したくなるところなのだが、今年は抜擢したくても適任の馬がいない。

 血統的にはレインダンスなのだが、この原稿を書いている時点で回避の方向だし、出走意欲があったとしても厳しい抽選がある。そもそも桜花賞後に一走してもいる。

 アマノチェリーランは先行力が魅力であるものの距離は厳しいように思うし、ピンクカメオはレインダンスと同様、直行組ではなくなってしまった。ベリーベリナイス…は冗談ではなくちょっとそそられるのだが、休み明けの前走が大幅な馬体減だっただけに輸送競馬が問題になる。

 結局、カタマチボタンとローブデコルテということになるが、この二択だったら血統的にカタマチだろう。あるいは、非桜花賞組がまとめて好走するのか…。トライアルや忘れな草賞は、例年の相場だと過剰人気になりがちなものなので、そこから馬を選べということになるとなかなか決心がつかない。悩ましいオークスである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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