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皐月賞人気薄好走馬のダービー

  • 2007年05月22日(火) 14時58分
 今年のダービーを予想するにあたって皆さんが悩むのは、皐月賞が波乱決着だっただけに、その結果を額面通り信用していいのかどうかということだろう。

 むしろ、2番人気で3着に負けたフサイチホウオーのほうが、コースが替わっての上積み、父の戦績といった理由から、安心して買えるような印象がある。問題は、7番人気1着だったヴィクトリーと、15番人気2着だったサンツェッペリンだ。これらをダービーで買うべきなのかどうか、ということだ。

 ヴィクトリーは7番人気だったが、平成以降、7番人気以下で皐月賞3着した馬は、昨年までに14頭いる。そのうち、次走でダービーに出走した馬は10頭。シルクライトニングが除外になっているので、実質9頭だ。

 その成績は(2-0-3-4)。複勝率は50%を超えているわけだから、「こないだまで人気薄だった馬」にしては比較的好成績のようにも見える。サニーブライアンが勝っていることもあり、回収率は単複ともに大幅なプラスだ。

 ならば今年の2頭も……となるところだが、ちょっと悩ましい点が2つある。

 該当馬が2頭いた(=今年と同じ状況)の02年には2頭とも飛んでいるということがひとつ。もうひとつは、ダービーでの人気と結果があまりリンクしていないということだ。

 後者だが、ダービーで6番人気だった4頭がすべて馬券に絡んでいるのに対し、5番人気以内だった5頭のうち馬券に絡んだのはウイナーズサークルだけなのである。

 今年にあてはめると、ヴィクトリーが怪しく、サンツェッペリンがお買い得、ということになってしまう。

 「それでいいじゃないか」という人もいるだろうが、先着したのはヴィクトリーなわけだし、ダービーの距離で安心感がある血統もヴィクトリーのほう。単純にデータに従うべきなのか、どうにも悩ましい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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