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芝短距離のハンデ重賞

  • 2007年06月05日(火) 10時00分
 芝1200mのハンデ重賞というのは、実はほとんど存在しないものである。もともとは阪急杯→シルクロードSだけだったわけだし、ここへ来て多少増えたものの、過去10年(97年以降)で計11レースしか行われていない。

 では、その斤量別成績はどうなっているのだろうか? 私は、一般論として「ハンデ戦は敢えて高斤量馬を買え、ただし短距離はハンデが効いてしまうことがある」という説を主張してきた。実際に回収率ベースではそれが良いというデータが出ていたからだ。

 しかし、芝1200m重賞に限ってみると、「ただし短距離……」云々は付け加えないほうがよいかもという気がしてくる。

 今回、オレハマッテルゼが登録してきたことによって、ペールギュントやフサイチリシャールあたりが58kgとなった。これがどんな結果をもたらすのかということも気になる。

 先述したようにのべレース数が少ないので傾向とまではいかないが、58.5kg以上を背負ったマイネルラヴとトロットスターは5着以下に敗れている。しかし、58kg組は(2-2-1-4)で、複勝回収率は152%とプラス。着外4頭のうち2頭は9・12番人気なので、この斤量が悪いとまでは言えない。

 また、牝馬では56.5kgでキョウエイマーチが(99年阪急杯)、57kgでシーイズトウショウが(06年CBC賞)勝っている。セックスアローワンスを考えたら58.5kgと59kgに相当するわけで、牡馬ではアウトとされたゾーンさえクリアすることになる。

 斤量の絶対値だけでなく「前走からの増減」ということで見ても、背負っている組が不利とまではいいづらい。昔に比べると上位勢に酷量を課すことがなくなった影響かもしれない。

 というわけで、斤量についてはあまり気にする必要がないが、回収率を考えると「背負っているために人気が落ちた」という状態がベスト。「背負っているのに人気がヒート」はもちろんマイナス材料となる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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