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牝馬ハンデ重賞の傾向

  • 2007年06月11日(月) 23時50分
 ハンデ重賞となった昨年のマーメイドSは、なかなかの波乱となった。

 9→3→11番人気の決着で、1番人気のヤマニンシュクルは8着。「ハンデ戦効果だ!」と印象に残っている人も多いだろう。

 しかし、牝馬ハンデ重賞の先輩、中山牝馬Sを参考にすると、そう単純なものでもないことに気付く。また、愛知杯も最初の2回は人気薄馬の天下だったが、昨年は1→3→2番人気での決着となった。

 97年以降10年間の牝馬ハンデ重賞、というくくりにすると計15レースが対象になるが、それらのレースについて、状況を整理しておきたい。
 まず斤量だが、56kg以上を背負った馬の回収率は実は高い。一方で、52kgあたりは[1-1-1-25]で回収率も低く、中途半端な存在となっている。51kg以下の人気薄馬と、56kg以上の実績組を重視すべきだろう。

 続いて人気。人気順別で見ると8〜14番人気あたりに複勝回収率プラスのゾーンがあるが、あまり張り切って穴狙いをするのは考え物だ。というのも、オッズ別で見ると、単勝50倍以上の馬は極めて不利だからだ。[0-1-0-59]で、03年中山牝馬Sで2着したテンエイウイングしか馬券に絡んでいない。

 冒頭に触れた昨年のマーメイドSにしても、派手な人気順で決まっているわりに3連単の配当は30万円台。もともと人気割れしているわけだが、その枠からもさらにはみ出るような馬は馬券の対象にならないということだ。

 人気といえばもうひとつ、1、2番人気馬は揃って来るか揃って飛ぶかの両極端になるようだ。2番人気のみ来たというのは先述の15レースに無く、1番人気だけ来るときは他の2頭が穴・穴で来る傾向にある。

・1、2番人気とも来て3頭目も人気サイド
・1番人気のみ来て他の2頭は4番人気以下
・1、2番人気とも崩れて丸荒れ

 の3パターンに分かれるので、例えば2、3番人気の2頭軸といった、中途半端な馬券は買わないようにしたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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