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牝馬の対牡馬GI実績

  • 2007年06月18日(月) 23時50分
 今年の宝塚記念には牝馬が3頭登録しており、中でもダービー馬ウオッカの参戦が話題となっている。

 牡馬相手にダービーを勝ったというだけで十分な偉業だが、「2戦連続の偉業」となるとどれだけの確率で可能なのか。

 もちろん正確に見積もる術は無いのだが、過去の「牡馬に勝った牝馬」を振り返ってみよう。

 過去20年(1987年以降)、牡馬を相手に牝馬が中央の平地GIを勝ったケースは15頭でのべ19勝である。そのうち1頭はカク外のホーリックスなので、実質的には14頭で18勝ということになる。

 その馬たちの次走成績がどんな内容か、想像してみていただきたい。もちろん、次走はGIとは限らない。

 正解は、[1-4-1-9]。ニシノフラワーが92年スプリンターズS→93年マイラーズCと勝ったのが唯一の「連勝」ということになる。

 次走にこだわらず「次のGI」を対象とし、しかも2着まで範囲を広げると、

・ダイイチルビー 安田記念・1着→マイルCS・2着
・ノースフライト 安田記念・1着→マイルCS・1着
・エアグルーヴ 天皇賞(秋)1着→JC・2着

 といった例がある。他に海外をノーカウントにすればビリーヴ、「次のGI」が牝馬戦でもよいことにすればラインクラフトも入るが、実質的にはノースフライトが唯一のGI連勝例ということになるだろう。

 ただ、マイル以下のGIは牝馬の好走例そのものが多いので、この中の「最も凄い例」は1着→2着のエアグルーヴだと考えていいはずだ。さらに昔まで遡れば、トウメイやガーネットのような例もあるが、いずれにしてもかなり難易度の高い課題であることは確実。今回ウオッカが勝つようならば、前走時点とは比べ物にならない「歴史的名牝」の座を獲得することになる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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