今年の宝塚記念には牝馬が3頭登録しており、中でもダービー馬ウオッカの参戦が話題となっている。
牡馬相手にダービーを勝ったというだけで十分な偉業だが、「2戦連続の偉業」となるとどれだけの確率で可能なのか。
もちろん正確に見積もる術は無いのだが、過去の「牡馬に勝った牝馬」を振り返ってみよう。
過去20年(1987年以降)、牡馬を相手に牝馬が中央の平地GIを勝ったケースは15頭でのべ19勝である。そのうち1頭はカク外のホーリックスなので、実質的には14頭で18勝ということになる。
その馬たちの次走成績がどんな内容か、想像してみていただきたい。もちろん、次走はGIとは限らない。
正解は、[1-4-1-9]。ニシノフラワーが92年スプリンターズS→93年マイラーズCと勝ったのが唯一の「連勝」ということになる。
次走にこだわらず「次のGI」を対象とし、しかも2着まで範囲を広げると、
・ダイイチルビー 安田記念・1着→マイルCS・2着
・ノースフライト 安田記念・1着→マイルCS・1着
・エアグルーヴ 天皇賞(秋)1着→JC・2着
といった例がある。他に海外をノーカウントにすればビリーヴ、「次のGI」が牝馬戦でもよいことにすればラインクラフトも入るが、実質的にはノースフライトが唯一のGI連勝例ということになるだろう。
ただ、マイル以下のGIは牝馬の好走例そのものが多いので、この中の「最も凄い例」は1着→2着のエアグルーヴだと考えていいはずだ。さらに昔まで遡れば、トウメイやガーネットのような例もあるが、いずれにしてもかなり難易度の高い課題であることは確実。今回ウオッカが勝つようならば、前走時点とは比べ物にならない「歴史的名牝」の座を獲得することになる。