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流れは上がり馬へ

  • 2007年06月25日(月) 23時50分
 ラジオNIKKEI賞を予想する際に、毎年考えることがある。

 それは、比較的早い時期から出世していた馬と、ここへ来て良くなってきた馬のどちらを取るかという問題だ。

 前走クラス別成績ということで括ってもいいのだが、例えば同じ「前走500万下勝ち」でも馬によってニュアンスの違いはある。2歳の早い時期に新馬を勝ち、OP特別2着や重賞3〜4着がありつつ、前走自己条件勝ちという馬と、最近デビューして新馬or未勝利→500万下という馬では別に考えるべきだろう。

 同じことは前走OP組にも言える。OP・重賞の常連だった馬と、前走で初めて重賞に出た馬とでは意味合いが違う。

 そこで今回は極めてアナログに過去の連対馬を振り返ってみたのだが、最近になるにしたがって、「遅れてきた組」が勢力を増しているのではないだろうか。

 昔はダイナコスモス・ニッポーテイオーの昭和61年のように、既成勢力組どうしの決着も珍しいものではなかった。

 しかし近年は「早かった組」と「最近組」が1頭ずつというパターンが多くなり、さらには「最近組」どうしの決着も珍しくない。2002年や2005年は文句なくそれだし、そうでない年も昨年2着したソングオブウインドのような、分かりやすい上がり馬が絡んできている。

 原因ははっきりしないが、育成のあり方や番組選択のあり方が背景にあってのことだろうから、大きい流れとして上がり馬タイプが来やすいレースになってきているというのは間違いないと思う。

 しかも、そこへ加えて昨年からのハンデ戦化。軸馬には前走か前々走で条件戦を勝ってきたようなタイプで、かつ血統的に重賞で勝ち負けしても不思議のないポテンシャルを持った馬を選びたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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