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新潟ダート1200mに見る血統の流行

  • 2007年07月23日(月) 23時50分
 今週は重賞の小倉記念も行われるが、新潟の北陸S向けに新潟ダート1200mの話をしてみたい。

 新潟の改修が終わってリニューアルオープンしたのが2001年。当時のダートコースについて印象に残っているのは、1200mでミスプロ系が強く、1800mでは人気馬+先行馬が強いということだ。

 もちろんこれは印象だけでなく当時データの裏づけもとったのだが、時間が経ってから再度検討してみると、事情が変わっていることに気づく。

 今開催開幕週の時点で、新潟ダート1200mにおけるミスプロ系の勝率は9.4%、連対率は16.9%。全馬平均が7.0%と14.1%だからそれよりは高いのだが、ヴァイスリージェント系(主にフレンチデピュティとクロフネ)が12.7%と20.6%、プリンスリーギフト系(主にサクラバクシンオー)が9.7%と16.4%だから、突出しているというわけではない。ちなみに、回収率はどの系統もぼちぼちでパっとする系統は無い。

 しかも、このコースにおけるミスプロ系は、年とともに数値が落ちているのだ。

[]内は勝率、連対率
01年 [12.2%、23.0%]
02年 [9.3%、20.9%]
03年 [10.9%、19.9%]
04年 [9.6%、13.7%]
05年 [8.2%、13.6%
06年 [7.7%、13.9%]

 2004年にいきなり落ちたまま回復していない。2007年も2回新潟1週目までで勝率8.7%・連対率12.6%。過去のイメージのまま予想すると大変なことになる。

 外国産馬、持込馬の良質なものが入らなくなったとか、ミスプロ自身の良質産駒が芝を試すようになったとか、他系統が押してきたとか色々理由はあるのだろうが、血統のファッションをリアルタイムに捉えて予想しなくてはと感じるのが新潟ダート1200mなのである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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