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函館2歳Sの基礎知識

  • 2007年07月30日(月) 23時50分
 毎年この時期になると函館2歳Sについて議論になるのが、
1・ダート戦を勝ちあがってきた馬の評価
2・出たとこ勝ちと2戦目勝ちの比較
3・芝1000mと1200m、どちらを勝ってきた馬がベターかといった話である。

 私も毎年そんな話を書いているが、なにしろ最初の2歳重賞で、予想ファクターが不足しているのだから仕方ない。

 まず1だが、過去10年の前走ダート組は[0-1-1-23]。トーホウアスカが2着しているが、全体としては奮わない。サラトガビューティ(97年2着)のようにダート→ラベンダー賞→函館2歳Sという馬も入れれば若干評価は上がるが、軸にはしづらい。

 今年はベストオブミーという大物がいるが、どの程度の印を打つかは「人気次第」としておいたほうがいいだろう。

 2については、以前と最近で事情が異なる。ここ3〜4年はデビュー戦を一発で決めてきた馬の優位が目立つ。以前は折り返しの新馬を勝ってきた馬でも全く問題なかったのだが、いまは初戦勝ちにこだわってみたい。

 3は、本欄で以前指摘したかもしれないが、実は前走芝1000m組のほうが勝率・連対率・回収率のすべてにおいて高い。1200m組はレベルが高いはずのラベンダー賞組を含んでいるわけで、それでいて勝率・連対率も上回るというのは注目に値する。

 ただ、今年は昨年同様、芝1000mの新馬を勝って直接ここへ挑む馬がいなかった。代替案として、芝1000m・新馬→ラベンダー賞と進んだ馬を取ってみてはどうだろうか。

 最後に、ラベンダー賞で権利を取った道営馬は[2-1-1-2]となんだかんだで堅実だという点を指摘しておきたい。今年のハートオブクィーンは最低人気での勝利だったので人気が伸びないかもしれないが、そうなればますます旨みは増す。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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