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枠順よりも先行力重視で

  • 2007年08月06日(月) 23時50分
 小倉は開催替わりだが、芝コースは今週までがAコース、来週からがBコースとなる。

 仮柵移動前の最終週や、連続開催そのものの最終週というのは内ラチ沿いが荒れているため、外差しが決まるというのが通例である。特に、芝1200mでは内枠馬が逃げ場を得られないまま速いペースで荒れたところを進むため、相対的に外枠が有利になると考えられてきた。

 しかし、このところその傾向に歯止めがかかっているようにも思える。

 まず、「最終週・芝1200mの外枠馬券」が決まりやすい競馬場とそうでない競馬場がある。2歳Sで外枠馬が穴をあけた函館は外枠馬券が決まりやすい競馬場だが、同じ北海道でも札幌はそうでもない。西のローカルでも、小倉よりは中京の方が「外馬券」が買いやすいように思える。

 もうひとつ、騎手の意識が変わってきたということを感じる。多くの騎手が「出せる範囲で外を」と考えるようになったぶん、遅れて外を回る馬は極端に外を回ることになってしまい、メリットよりデメリットの方が大きくなってしまうというわけだ。新潟・直線1000mで、徐々に内枠馬が結果を出せるようになってきた(早めに外に寄せることで)過程と似ているようにも思える。

 小倉・芝1200mはオーラス週の小倉2歳Sだと内枠の人気馬が飛びやすいのだが、今週の段階だと内の不利は限定的。単純に枠で考えるということはしづらい。

 では、なにを重視すべきかというと、先行力だ。昨年はコスモフォーチュンが早めに勝負を決めたが、先行馬というのは本質的に有利なものであるうえ、路面の良い進路を自由に選べる度合いが高い。

 ちなみに、昨年は北九州記念の直後にもうひとつ芝1200mがあった(九重特別)のだが、こちらも逃げた馬が馬番2番から7番人気3着、2番手の馬が馬番9番から1着だった。今年も日曜の後半レースはこの線で予想してみたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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