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過去10年から見る京成杯AH

  • 2007年09月03日(月) 23時50分
 かつて京成杯AH(京王杯AH)といえば高速決着の代名詞的存在で、予想をする際も「どの馬がスピード能力に優れているか」というところに重点をおけばよかった。

 昨年もそれなりに時計は速かったし、開幕週なのでスピード能力があるにこしたことはないが、最近は2000年や2003年のように、突然遅いタイムでの決着になることもある。そこで今回は時計の話をいったん横に置いて、別角度のデータから京成杯AHの狙い目を探してみたい。対象期間は新潟で施行された2002年を含めて過去10年とした。

 まず前走クラス別成績で見ると、前走でGI、GIIを使われてきた馬がけっこう苦戦していることに気づく。前走GI組というと必然的に休み明けになっているわけで、格よりは使われている順調さを重視すべきということだろう。今年は前走GI組が1頭しかいないが、「使われている馬重視」という主旨は応用することができる。

 クラス面では前走準OP組から2着馬が2頭(出走7頭中)、OP特別組から勝ち馬が3頭(2着馬も2頭。全33頭中)出ており、このあたりの取捨が勝負を分けそうだ。

 レース間隔で見ても、中9週以上の馬は[1-1-2-17]で複勝回収率60%台。1番人気馬が2頭掲示板外へ飛んでおり、やはり休み明けの馬は嫌いたいところ。ただ、中1週といったローテの馬も苦戦していて、中3〜8週の馬が複勝回収率面でかなり優秀な成績をあげている。

 今年は馬インフルエンザで入退厩ができない状態が続いたが、鬼の居ぬ間のなんとやらで在厩馬の強みを利してきた馬よりも、ここへ向けてじっくり待った馬のほうが選択肢としてはベターだろう。

 前走距離では、前走マイル未満を使われててきた馬の好走が目立つ。これはなんだかんだいってもスピードが必要ということのあらわれか。

 色々と書いてきたが、理想は「前走マイル未満、中3〜8週、下手に格は無いほうがいい」といったところである。ただ、今年は前走マイル未満を使われてきた馬の登録が少ないので、前走芝マイル組、特に好時計をマークしてきた馬はアリとすべきだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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