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人気馬の馬体重に注意

  • 2007年09月10日(月) 23時50分
 本コラムではいつもデータ的な話を書いているが、ローズSに関しては当日にならないと判断のしようがない項目について書いておきたい。

 当日の馬体重に関する話である。

 ローズSは有力馬が大幅な馬体増で出てくることが多く、またその影響もあってか、人気を裏切るケースも少なくない。

 1番人気馬に限ってみても、04年ダイワエルシエーロは12kg増で出走し7着。03年スティルインラブは22kg増で5着だった。00年シルクプリマドンナは10kg増、99年トゥザヴィクトリーは12kg増でやはりそれぞれ馬券の対象から外れている。

 2番人気馬ではユウキャラットが12kg増、ちょっと古いところでファイトガリバーが18kg増で大敗したというような例もある。

 5番人気以内で2ケタの増加だった馬について過去20年まで遡ってみると、[2-2-3-17]で回収率は単勝22%・複勝53%。やはり買いづらい存在になっていることが分かる。

 もちろん、馬体増でも好走した馬はいる。最近だと14kg増で6番人気2着した04年のグローリアスデイズや、14kg増で1番人気2着だった01年のローズバドなどがある。

 しかし、グローリアスデイズは休養前の2走で16kg減らした後の休み明け。ローズバドは小型馬で、休養前は「これ以上は減らせない」という状態だった。

 小型馬は増えて出てきてもあまり心配が無いようで、ローズバド2着のとき3着だったノブレスオブリッジや、95年2着のプライムステージなども馬体増ながら馬券に絡んだ。

 しかし、今年人気が予想される馬はダイワスカーレットにしてもベッラレイアにしても、小型というタイプではない。ともにデビュー以降は馬体重を減らして春戦線を戦ったので戻す余地はあるかもしれないが、似たパターンで人気を裏切った馬も多いことを考えると、もし馬体増で出てきた場合は注意が必要だろう。これは来年以降の人気馬についても言えることだ。

 人気馬はパドック解説などでも擁護されがちだが、だからこそ、馬券を買う身としては厳しくジャッジしたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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