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オープン・休み明け・馬体増減の考察

  • 2007年10月01日(月) 23時50分
 先日、ローズSでは休み明け馬体増の人気馬が飛ぶことがある……というようなことを書いたら、そんなときに限ってベッラレイアが18kg増できっちり2着してしまい、皆さんにはえらいご迷惑をおかけした。

 そこで、というわけでもないのだが、今回もう一度休み明けでの馬体増・馬体減の話を書いてみたい。今週行われる毎日王冠・京都大賞典は毎年休み明けの馬が多く、取捨に悩むところでもある。

 1997年以降に行われた古馬の平地OP・重賞はのべ1443レース。そこに出走したのべ19419頭のうち、中9週以上の休み明けだった馬は3341頭となる。

 その3341頭のうち135頭は前走が海外だったり競走除外だったりで、公式な馬体重増減データが無い状態。残った3206頭の成績は、勝率6.2%、連対率12.9%、単回収率67%、複回収率72%。この数値をベースに話を進めていくことになる。

 詳しく書いていくと紙数が足りないので結論の要点をまとめると、

1.理想は増減なしかひとケタ増

 →+4〜+9kgは連対率14.6%で全体より高い。ただし、複回収率では-3〜+3kgが81%で、一番高いゾーンとなっている。

2.+10〜+19kgは意外となんとかなる

 →勝率6.4%・連対率11.9%・単回収率83%・複回収率78%。全体と比べて低いということはない。ただ、20kg以上増は連対率が9.7%とさすがに下がる

3.マイナスは良くない

 →4kg以上減った馬は、回収率ベースで全体の平均を下回る。10kg以上減った馬は、勝率5.0%・連対率10.9%・単回収率52%・複回収率50%で狙えない。

 よく俗説で「休み明けでマイナスは不安」と言うが、それは正しいということが分かる。

 他に、長めの距離のほうが馬体重増でもこなせる(これは私自身勘違いしていた)とか、大型馬の馬体増は影響が小さい(全体との比率で考えたら自然なことか)といった傾向があるようだ。今週さっそく応用してみたいものである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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