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3強3連複1点買いはアリか?

  • 2007年10月08日(月) 23時50分
 今週の秋華賞、人気はウオッカ、ダイワスカーレット、ベッラレイアが分けることだろう。

 ローズSの結果を見る限り新興勢力の台頭などは望み薄に見えるが、では「3強」で1点勝負する覚悟があるかと言われれば、正直なところ無い。

 そもそも、3強で決まるとすれば3連複は1番人気の1点買いで良いことになるが、3連複1番人気という選択肢自体、損得勘定でどうなのかという疑問がある。

 3連複はできて間もない馬券なので、「平地GIの1〜3着を1〜3番人気馬が占めたケース(順番は問わない)」ということで考えてみよう。

 フルゲートの多かった時代も含むことになるが、JRA-VANにデータのある1986年以降、先述した上位人気馬の上位独占は平地GIで33回発生している。一番最近は一昨年のジャパンC(優勝馬アルカセット)だ。

 その間の施行レース数は395レース。単純計算では、約12回に1回という勘定だ。

 ただ、3歳牝馬戦となると事情が多少異なる。1986年以降のGI施行数は65レースだが、1〜3番人気の上位独占は93年オークス(優勝馬ベガ)、01年秋華賞(優勝馬テイエムオーシャン)、05年オークス(優勝馬シーザリオ)の3回しかない。21.6回に1回で、GI全体の平均よりも低い。

 ちなみに、GIにこだわらず3連複で「単勝人気上位3頭の組み合わせ」を買った場合の成績は、対象レース18214レースに対し的中1625レース、回収率73.5%。控除率通りに収束しているとも言えるが、さほどわりの良い賭けでないことも事実と言えよう。

 そこへ加えて「3歳牝馬は人気通りに決まりにくい」ということが言えるのなら、ますます3強全員に従う必要は無くなる。腹をくくって1頭を切り、3頭目のチョイスで頑張るという選択肢が出てくることになる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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