エリザベス女王杯は力関係のはっきりした古馬の戦いが中心となる(もちろん3歳馬もいるが)こともあり、比較的堅いGIである。
これまで行われた11回で全馬の単複を買った場合、単勝の回収率は39%、複勝は56%である。これは標準的な値よりもかなり低い。
しかし、だからといってエリザベス女王杯で1番人気馬が強いわけではない。昨年カワカミプリンセスの降着という不運があったにせよ、それも結果ということで含めると、ここまでの成績は[2-3-1-5]であり、回収率は単32%・複64%と冴えない。
そのかわり、なぜか2番人気馬の成績がいい。[5-3-0-3]で回収率は単165%・複111%とプラスになっている。
1番人気と2番人気の序列はちょっとしたことでひっくり返ることもあるので、この傾向に決定的な意味があるわけではない。しかし、1番人気が勝つときと2番人気が勝つときでは大きな違いがひとつある。
1番人気が勝った2回(昨年は含まない)は2着馬の単オッズも1ケタの平穏決着だった。ちなみに1番人気馬が2着の3回も勝ったのは2、3番人気のいずれかで、単勝はひとケタ。馬連は平穏な決着だった。
一方、2番人気馬が勝った5回のうち2着馬が平穏だったのは、2003年の1回(アドマイヤグルーヴが勝ち、2着に1番人気スティルインラブ)だけで、残り4回は2着馬の単勝オッズがそれぞれ16.4倍、16.0倍、25.6倍、22.7倍。馬単が無かった時期も含むので数字では示せないが、それなりの配当が見込める感じだ。
2番人気馬が勝つケースではファンの見込んだシナリオが崩れているため、その下の着順にまで影響が及んでいるような気がする。先述したようにエリザベス女王杯は堅めのレースだが、2番人気→単勝15〜25倍の馬という馬単、そこから派生した3連単は狙えるようだ。反対に1番人気馬のアタマで勝負する本命党は、2着候補(馬連を買う場合はヒモの馬)をあまりひねらないほうがいいということになる。