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ディラントーマスの取捨は?

  • 2007年11月20日(火) 19時55分
 今年のジャパンC、話題はなんといってもディラントーマスの参戦である。

 競馬ファンも昭和の頃ほどウブではないだろうが、それでもこのクラスの馬が来たとなると、やはり心躍るものがあるのではないだろうか。

 しかし、馬券の中心にできるかというと、個人的には躊躇していまう。血統的に日本の馬場はけっこう合うのではないかと思うが、ローテーションが不安すぎる。

 今年既に9戦を消化しジャパンCが10戦目というのももちろんだが、この馬はシーズン終盤にトーンダウンして終わるタイプにも見える。2歳時のレーシングポストT、3歳時のジョッキークラブゴールドC、そして今年も既にBCターフで負けているわけで、流れで考えるとジャパンCも同様になっておかしくない。

 そしてまた、オブライエン厩舎の一流馬には似たようなタイプの馬が多いようにも思える。現役馬ではイェーツがシーズン最終戦に弱い(遠征下手もあるかとは思うが)。早い引退で1シーズン限定の話になるがガリレオ、ブラックミナルーシュ、ホークウイング(3歳時)、オラトリオといったところも戦歴としては近い傾向にあった。

 2着ないし3着に踏ん張っているのでトーンダウンしたなどと言われる筋合いは無いかもしれないが、ロックオブジブラルタル、ジャイアンツコウズウェイ、アレクサンドローヴァなども、それまでのG1における勝ちっぷりと比較した場合、若干トーンダウンしたと評することもできるだろう。全体的に見て、オブライエン厩舎のシーズン最終戦、特に遠征というのは危険な香りがする。まして今回は後から付け加えられた「続・最終戦」である。

 もちろん同厩舎にも例外的な存在はいて、ハイシャパラルは3、4歳時とも凱旋門賞3着→BCターフ1着(4歳時は同着)だった。それでも広い視点で見ると、今回馬券上の食指はあまり動かないところである。

※ディラントーマスは出走を回避しました。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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