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朝日杯と種牡馬の系統

  • 2007年12月04日(火) 23時51分
 朝日杯の過去10年を振り返ると、勝ち馬の父がすべて違うことに気づく。

 それより以前まで遡るとSSが計3勝、ブライアンズタイムが2勝などしているのだが、過去20年に対し種牡馬が17種類だから、かなり散らばっていると言っていいだろう。

 過去10年における2着馬の父はサンデーサイレンスが2回登場する(勝ち馬も1頭=メジロベイリー)以外、ばらばら。一方、母の父は過去10年だと全て別。過去20年だとサクラチヨノオー・ホクトオー兄弟が勝っているためセダンが重なるが、それ以外はばらばらで19種類登場する。

 とりあえず過去10年に限り、さらに1、2着馬の父を併せたうえで系統別に俯瞰しても、SSとステイゴールドの親子、ミシエロ、ティンバーカントリー、シーキングザゴールドのミスプロどうし、コジーンとウィズアプルーヴァルのカロ後継どうしなど2〜3頭レベルの重なりがあるだけで、非常に広い範囲の系統から連対馬が出ているという印象を受ける。

 「朝日杯に限って良い」という系統が無いなら、冬場(今回は11〜1月を対象として調べた)の中山芝1600mに強く、しかし例えばSS系ほどブランドイメージが確立されていない、という系統がベターということになるのではないだろうか。

 来年以降のこともあるので今年の登録馬に限らず挙げると、現状良いのはまず、クロフネなどのヴァイスリージェント系。ノーザンテースト系も悪くはない。SS系は各種指標の数値自体はいいので、「SS系の中でもちょっと地味っぽいところ(昨年のステイゴールドなどは後から思えばまさにこれだった)」というのはアリと言えるだろう。

 母の父としてはあまり決定的な選択肢がないのだが、ニジンスキー系あたりか。怖いのは、SS系、ミスプロ系などこれから該当頭数の増えるところが軒並み低回収率であること。この組も連対率は悪くないので、「人気サイドの馬をヒモに取るのみ」という感じだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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