朝日杯の過去10年を振り返ると、勝ち馬の父がすべて違うことに気づく。
それより以前まで遡るとSSが計3勝、ブライアンズタイムが2勝などしているのだが、過去20年に対し種牡馬が17種類だから、かなり散らばっていると言っていいだろう。
過去10年における2着馬の父はサンデーサイレンスが2回登場する(勝ち馬も1頭=メジロベイリー)以外、ばらばら。一方、母の父は過去10年だと全て別。過去20年だとサクラチヨノオー・ホクトオー兄弟が勝っているためセダンが重なるが、それ以外はばらばらで19種類登場する。
とりあえず過去10年に限り、さらに1、2着馬の父を併せたうえで系統別に俯瞰しても、SSとステイゴールドの親子、ミシエロ、ティンバーカントリー、シーキングザゴールドのミスプロどうし、コジーンとウィズアプルーヴァルのカロ後継どうしなど2〜3頭レベルの重なりがあるだけで、非常に広い範囲の系統から連対馬が出ているという印象を受ける。
「朝日杯に限って良い」という系統が無いなら、冬場(今回は11〜1月を対象として調べた)の中山芝1600mに強く、しかし例えばSS系ほどブランドイメージが確立されていない、という系統がベターということになるのではないだろうか。
来年以降のこともあるので今年の登録馬に限らず挙げると、現状良いのはまず、クロフネなどのヴァイスリージェント系。ノーザンテースト系も悪くはない。SS系は各種指標の数値自体はいいので、「SS系の中でもちょっと地味っぽいところ(昨年のステイゴールドなどは後から思えばまさにこれだった)」というのはアリと言えるだろう。
母の父としてはあまり決定的な選択肢がないのだが、ニジンスキー系あたりか。怖いのは、SS系、ミスプロ系などこれから該当頭数の増えるところが軒並み低回収率であること。この組も連対率は悪くないので、「人気サイドの馬をヒモに取るのみ」という感じだろうか。