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1400m馬券と血統

  • 2007年12月10日(月) 23時50分
 阪神Cは1400mという距離で行われるが、1400m戦というのはけっこう面白い存在である。

 スワンSのようにスプリンタータイプの馬が活躍する(今年はそうでもなかったが)レースもあれば、反対にマイル以上のスタミナが必要とされる場合もある。

 1200mや1600mで強い馬というのは素直にチャンピオンと呼べるが、1400mでこそ強い馬というのはもっと微妙なニュアンスで、チャンピオンというよりは特殊技能の持ち主、という感じがする。

 今回は阪神Cがまだデータ蓄積不足ということもあって、「1400m巧者」全般に目を向けてみた。

 2002年以降の6年弱について、500万条件以上の芝1400m戦を対象とし、種牡馬別成績を取ってみる。

 勝利度数トップはもちろんサンデーサイレンスだが、回収率ももちろん平凡。回収率も含めて目立つところがあるのはコジーン(マル外・持込馬の父なのに驚異的な勝利度数)、サクラバクシンオーといったところか。

 面白いところではエリシオの連対率が高く、派手な複穴も何本か出していて複勝回収率はプラスである。同じフェアリーキング後継のオースも2ケタ人気の単穴2本で回収率を単複ともにプラスまでもってきているし、将来的には同系のファルブラヴあたりも期待できるかもしれない。

 もうひとつ、ノーザンテースト系は連対率が全馬平均の13%に対し9%とほめられたものではないのだが、たまに出る大穴でそれをカバーして単勝がプラス、複勝が87%という回収率をマークしている。

 この両系に限らず、1400mのイメージが全然ない系統が激走してこそ1400mの穴馬券になる、という印象がする。「1400mのベタ」で素直に買えるのはプリンスリーギフト系とコジーン、ボストンハーバーくらいで、そこを外れたら一気にイメージの外まで飛んでみたほうがよいのではないだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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