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荒れる3歳重賞・荒れない3歳重賞

  • 2008年01月14日(月) 23時50分
 京成杯は1999年から距離が2000mに変更されたが、それとともに堅い重賞に変貌している。

 9回・のべ18頭の連対馬のうち、16頭までが4番人気以内。残る2頭は5番人気2着のトウショウシロッコと、9番人気2着のイーグルカフェである。

 2ケタ人気での3着も無いため、全9回の全頭について単複を均等買いした場合の複勝回収率は63%と地味め。単勝回収率は、先述したように4番人気以内馬しか勝っていないので34%と相当に地味である。

 ここでふと思い当たるのが、弥生賞の存在だ。弥生賞は京成杯と同じコースで行われるが、やはり堅い重賞として知られている。3歳重賞には「堅くなる要素」というようなものがあるのでは、と考えた。

 そこで1998年以降の10年間について1〜6月に行われた芝の3歳GII・GIII戦を集計してみた次第である。

 全178レースで単複均等買いをした場合の回収率は、単72%・複77%。だいたい落ち着くべきところに落ち着いている。

 弥生賞と京成杯をあわせた中山芝2000mは単33%・複60%。複数レースが行われるコースとしては複勝回収率が最低である。それに継ぐのが中山芝1800m(スプリングSとフラワーC)。レース1種類のコースではきさらぎ賞の京都芝1800m外回りとフィリーズレビューの阪神芝1400m(新旧合算)が堅い。

 フィリーズレビュー以外は中距離戦なので中距離が堅くなりがちと言えそうだが、一方で中距離戦でも京都新聞杯(京都芝2000m・2200m)あたりは荒れまくっている。

 そこで時期の問題を持ち出すと、事態は非常にすっきりしてくる。3歳GII・GIII全馬買いの複勝回収率を1月から並べると、68%→77%→71%→95%→81%→87%。単回収率も1〜3月は低い。

 ということで、早い時期でかつ中距離戦の京成杯は、本命党が張り切るべき一戦というのが結論になる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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