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AJC杯の有力ローテ

  • 2008年01月21日(月) 18時50分
 AJC杯に来る馬たちのローテーションで主となるのはもちろん中山金杯だが、この中山金杯組、馬券的にはおいしくない存在になっている。

 過去10年で[2-3-1-25]、回収率は単16%・複30%となっている。穴は出さず、それでいて人気サイドの馬を全切りもできないという、極めてやっかいな存在だ。

 (以下すべて過去10年を前提に)ならば、金杯以外のローテで……ということになる。真っ先に思いつくのは有馬記念からここへ来る格上組だが、実質的には格上とまで呼べる馬は回ってきておらず、それだけに成績も[1-1-2-6]と微妙。アメリカンボスは当たりでダイワテキサスやグラスボンバーはハズレという違いを見極めなければならない、ジャッジの難しさもある。今年のドリームパスポートは戦績を見る限りはよさそうに見えるが、この成績を見る限り、鉄板の軸馬とまでは言い切れない。

 それよりは、特殊なローテに注目するほうがよさそうだ。

 JCに使い、有馬記念には出ずにAJC杯出走の2頭は、2頭とも優勝(1番人気でうまみはなかったが)。菊花賞から間隔をあけてここという馬は3頭いて2頭が2着。「ワケありの実力馬」とでもいったところか。

 今年はこのパターンにズバリあてはまる馬はいないのだが、ちょっと近いと思われるのがアドマイヤメインだ。

 同馬は宝塚記念のあと半年休み、ディセンバーSで復帰して2番人気4着。OP特別で4着とはパッとしないように見えるが、休み明け+速めのペースということを考えると、それほど悪くない内容とも言える。

 今回は中山金杯の2〜5着馬が揃って出走するが、先述した傾向から見ると、それらの馬たちが上位を独占する可能性は低い。そのぶん、実力馬の復活が容易な環境が整うのではないだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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