AJC杯に来る馬たちのローテーションで主となるのはもちろん中山金杯だが、この中山金杯組、馬券的にはおいしくない存在になっている。
過去10年で[2-3-1-25]、回収率は単16%・複30%となっている。穴は出さず、それでいて人気サイドの馬を全切りもできないという、極めてやっかいな存在だ。
(以下すべて過去10年を前提に)ならば、金杯以外のローテで……ということになる。真っ先に思いつくのは有馬記念からここへ来る格上組だが、実質的には格上とまで呼べる馬は回ってきておらず、それだけに成績も[1-1-2-6]と微妙。アメリカンボスは当たりでダイワテキサスやグラスボンバーはハズレという違いを見極めなければならない、ジャッジの難しさもある。今年のドリームパスポートは戦績を見る限りはよさそうに見えるが、この成績を見る限り、鉄板の軸馬とまでは言い切れない。
それよりは、特殊なローテに注目するほうがよさそうだ。
JCに使い、有馬記念には出ずにAJC杯出走の2頭は、2頭とも優勝(1番人気でうまみはなかったが)。菊花賞から間隔をあけてここという馬は3頭いて2頭が2着。「ワケありの実力馬」とでもいったところか。
今年はこのパターンにズバリあてはまる馬はいないのだが、ちょっと近いと思われるのがアドマイヤメインだ。
同馬は宝塚記念のあと半年休み、ディセンバーSで復帰して2番人気4着。OP特別で4着とはパッとしないように見えるが、休み明け+速めのペースということを考えると、それほど悪くない内容とも言える。
今回は中山金杯の2〜5着馬が揃って出走するが、先述した傾向から見ると、それらの馬たちが上位を独占する可能性は低い。そのぶん、実力馬の復活が容易な環境が整うのではないだろうか。