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共同通信杯は前走距離に注目

  • 2008年02月04日(月) 23時55分
 共同通信杯の過去10年というと、ダート変更になった年と中山で行われた年が各1年ずつある。

 今回はその2回を外し、かわりに11年前・12年前を加えることで、「東京芝1800mで行われた過去10回」を対象としたい。

 さて、共同通信杯は、ちょっと中途半端な時期に行われるレースである。

 1970年代までは、春クラシックまでに有力馬が休養を取るという風習があまりなく、使われ続けるためにけっこうな格上馬が出走していた。

 しかし、2歳戦使う→小休止→叩き台使う→皐月賞、という風習が定着した今となっては、このレースを使う意味合いというものが微妙になっている。

 積極的な意味を見出すとしたら、ダービーに向けて東京コースを経験できるということだろう。それだけ、東京向き・長距離向きの馬がここを志向するという考え方もできる。

 それと関係があるかどうかは分からないが、共同通信杯は前走距離の長い馬から切り込んでいったほうがよさそうだ。

 先述した10回を対象とすると、前走が芝2000m=ここで距離短縮の馬は連対率が27.3%。全馬平均の17.9%よりもだいぶ高い。また、キンショーテガラなどが出たおかげで複勝回収率はプラスになっている。一方で、1番人気に推された3頭はいずれも勝っており、人気サイドでの強さも見せている。

 一方、同じ200m違いの芝1600mはというと、連対率こそ20.0%と健闘しているものの、回収率は単27%・複57%。6番人気以下から馬券に絡んだ馬は02年7番人気2着のサンヴァレーだけで、おいしい馬券が生まれてくる気配はない。

 共同通信杯は様々な前走レースから馬が集まってくるので比較が難しくなるが、割り切って前走距離をベースに予想するという選択があってもいいのではないだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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