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長距離だからこそ面白いダイヤモンドS

  • 2008年02月11日(月) 23時50分
 3000m以上の平地レースというのは年間を通じてもそれほど数があるわけではなく、ダイヤモンドSというのはそのうちの貴重な1レースである。

 世の中には極端なレース条件だと購買意欲が減退する人というのもいるようだが、極端なレース条件というのは強制的に前走からの条件替わりが発生するということでもあり、そのぶん紛れが生じやすい。穴党としては張り切るべきレースなのだ。仮に本命党であったとしても、血統派の人などは腕の見せどころであろう。

 さて、ダイヤモンドS。東京競馬場が改修された2003年には中山で施行されたりしているが、今回は敢えてそれを無視して「過去10年」という枠組みで考えたいと思う。このレースは「規格外の長距離」という点だけがポイントだからだ。

 予想を固める上での決定的な材料というのは無いのだが、それでも過去を振り返ると、今年も応用できそうなポイントがいくつか見えてくる。

 ひとつめは、騎手。本欄でも何回か紹介した、当代きっての長距離巧者・横山典をはじめとして、このレースで10年間に3回馬券に絡んでいる後藤、2回の松岡、吉田豊といったところが注目に値する。騎乗馬があれば成績と関係なしに買い目に入れたい。

 ふたつめは、斤量。一般的に中長距離のハンデ戦は背負う馬のほうが高回収率になりやすいが、東京のハンデ重賞はなぜかそうはならず、背負う馬は不振である。

 3つめは、2つめと関連するが前走GII組が不振で前走準OP組が絶好調であること。準OP組は1着1回・2着8回と極端なバランスだが、連対率は25%でオープン特別・重賞組を上回る。OP組は万葉Sの上位馬以外は信頼性が低く、騎手や血統など別角度からの付加価値が加わらないと買いづらい。

 以上、細かい条件の羅列になったが、最終的な出走馬をこれらの条件にあてはめると、買うべき馬が浮かび上がってくるはずである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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